世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
「これが一宮宮内大輔(いちのみやくないだいゆう)の首だ。」
賢長「これにて一揆は治めた。」
元貞「…細川政元(ほそかわまさもと)様はいかがされた?」
賢長「解放した。」
その頃、一宮氏の館から政元は出てきた。
無論、家臣の上原賢家(うえはらかたいえ)と紗奈(さな)も解放された。
賢家「殿、大事ありませぬか?」
政元「うむ…」
紗奈「大輔が賢長に斬られたのでしょうか?」
政元「一宮は…けじめをつけたのだろう。賢長は大輔に争いをやめることを説得したのだ。」
賢家「大輔は説得に応じず、賢長に斬られた?」
政元「いや…大輔は自らの過ちに気づいたのだ。それで切腹したのだ。わしの前でな。」
ーーーーーー
大輔「政元様…争いをして苦しむのは、米、作物を作る民…なのに私は…」
政元「わかってくれればよい。」
大輔「…私は政元様を侮っていました。細川の当主とはいえ、まだ子供。担ぎ上げて利用してやろうと思っていました。されど政元様は民を思い田畑を思い、安寧な世を目指しておられた。私は間違っていた…。」
政元「まだ、わしは力不足だ…」
大輔「いや…私は自らの命でけじめをつけまする。」
大輔は、そう言うと切腹した。
大輔「…まっ、政元様…安寧な世を…」
政元「大輔!!」
ーーーーーー
紗奈「…大輔は自らの命で一揆を鎮圧したのですね。」
賢家「一宮氏はどうされますか?」
政元「此度のことは、よく調べねばなるまい。内藤に行き過ぎたことがあったやもしれぬ…とにかく、京へ帰ろう!」
政元らは丹波国を後にし、京へ向かった。
少年であった政元の旅は終わった。自らの領地を見た此度の旅は政元自身を大きくしただろう。
帰京する政元らを木の上から眺めているものがいた。
天狗は政元らをずっと見ていたのだ…。
つづく…
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