世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)です。
文明11年(1478年)夏が終わりになる頃、細川政元(ほそかわまさもと)と家臣の上原賢家(うえはらかたいえ)と紗奈(さな)は四国に渡り、阿波国から讃岐国に到達した。
着いたのは讃岐の東の地域だった。
そこには綺麗な川があった。
紗奈「川で水をいただきましょう」
政元「そうだな、ちょうど喉が渇いていたところだ。」
賢家「あー、美味しい〜生き返る〜」
ふと川下に政元ら男の民が水を汲んでいるのが見えた。
賢家は気さくに声をかけた。
賢家「この川の水は美味しい。なんて川ですか?」
男の民「この川は春日川ですよ。どちらから来たのですか?」
賢家「わしらは畿内から来た商人です。この辺りはどなたが治めてますか?」
男の民「讃岐は細川様が守護、この地は細川様の守護代、安富元家(やすとみもといえ)様ですが…元家様はずっと京にいます。」
政元はこの地が土一揆が起きていた阿波と違い、平穏であることが気になり、その男の民に聞いてみた。
政元「守護代様がいなくても、この地は平穏無事ですね。」
男の民「この地は昔より植田(うえだ)様が守っておられる。」
政元「植田様…」
男の民「あちらで水を汲んでいます。」
男の民が手をさす方向を見ると、百姓姿ではあるが体の大きい男がいたのだ。
男の民「植田景綱(うえだかげつな)様です。」
景綱は水汲みを終えたのか、桶を持って政元らの方に来た。
景綱「旅の者ですか?」
賢家「はい、畿内より来ました。」
景綱「それは大変でしたでしょう。畿内は乱により荒れていますからね。」
政元「畿内に行かれたことがおありで?」
景綱「主命により京に行きましたが…戦続きで…細川のお殿様が和議をし、ようやく讃岐に帰って来られました。」
景綱は笑みを見せた。
景綱「やはり、生まれ育った地はいい。」
政元「荒れてもなく平穏な地ですね。」
景綱「わしの先祖はこの地を細川様や安富様より前から守っています。だから、この地を守るのがわしの役目。」
景綱「あと…この地は上皇様がお守りいただいております。だから平穏なのです。」
政元「上皇様?」
景綱「はい、崇徳上皇(すとくじょうこう)様です。」
崇徳上皇、平安時代の人物でした…。
つづく…
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