諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1241年初夏…
泰時は孫の経時(つねとき)の前で病で倒れ、床に伏せてしまいました。
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しかし、1ヶ月後には回復し見舞客とも談笑できるようになりました。
そんな泰時を前妻の優子(ゆうこ)が見舞いに訪れました。
優子「お加減はいかがですか?」
泰時「もう大丈夫だ。」
優子「倒れられたと聞いた時は驚きましたよ。お互いに歳なのですから無理をならずに。」
泰時「ハハッ、すまぬすまぬ。そう叱ってくれるのは、そなただけだ。」
優子「ところで経時はどうですか?殿が後継ぎの教育をしているとか…」
泰時「うむ、慌てるところがあるな。もう少し冷静に場を見ることが政を預かるものとして必要だ。つい先日、こんな事があった…」
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経時が泰時の教育を受けている頃、三浦氏と結城氏・小山氏の家人同士の喧嘩がありました。
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それを聞いた経時は、
経時「三浦はお祖母様の実家。よし、三浦に加勢せよ!」
と家臣を助勢に送りました。
それを聞いた泰時は、
泰時「馬鹿者!!執権たるもの、御家人同士の揉め事は冷静かつ公平に処置せねばならぬ。そなたのように私情を挟み慎重さに欠けた処置はありえぬ!」
泰時は経時に謹慎を命じたのです。
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優子「まあ、それは叱られて当然ですね。」
泰時「今は反省し職務を行なっておるわ。まだ経時は若い。いろんなことを経験して学んでいけばよいのじゃ。それに経時には補佐役を付けておいた。」
優子「補佐?どなたですか?」
泰時「我が異母弟の実泰(さねやす)の子、実時(さねとき)じゃ。」
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泰時「実時は冷静さを持ち頭も良い。経時の力になってくれよう。」
優子「殿に時房(ときふさ)殿がいたようにですね?」
泰時「まぁ、そうだ。さすが優子だ。わかっておるの、ハハハッ!」
泰時は優子と話している時が一番安らぎを感じていたようでした。
1242年2月、泰時の元に忍びの風(ふう)から驚くべき報せが入りました。
風「帝が…崩御されました。」
泰時「何!?」
京の四条天皇(しじょうてんのう)様が12歳の若さでお亡くなりになったのです…。
つづく…
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