諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)様の院宣による鎌倉の御家人たちの動揺を政子(まさこ)様の決死の言葉で抑えた幕府は戦の軍議に入りました。
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御所に集まったのは北条義時(ほうじょうよしとき)、義時の弟の時房(ときふさ)、大江広元(おおえのひろもと)、三浦義村(みうらよしむら)、安達景盛(あだちかげもり)、そして政子様と泰時もいました。
軍議では箱根、足柄で朝廷方の兵を迎え撃つ策が持ち上がりました。
しかし、
広元「迎え撃つ策は下の策です。」
義村「下の策⁈ なぜだ⁈」
広元「こちらから積極的に進軍すれば行く先々で兵が集まるのです。」
景盛「確かに、迎え撃てば、その兵が朝廷方に付く可能性もあるな…。」
泰時「ならば、武士たちの気持ちが政子様の御言葉で1つになっているうちに早く出陣すべきです。」
義時「姉上、いかがしますか?」
政子「……こちらから出陣しなさい。讒言したものたちを討つのです。」
さらに軍議では東海道、東山道、北陸道の三方から京に向かうことが決まりました。
義時「東山道は武田信光(たけだのぶみつ)殿、北陸道は朝時(ともとき)、東海道は泰時を大将にする。そして、此度の戦の総大将は泰時、そなただ。」
泰時「わたしが総大将、承知しました。」
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しかし、京は朝廷方の兵がたくさん集まって逃げることが困難でした。
輝「これでは捕まってしまいます。」
私「どうすれば…」
私たちが道の外れでいるところに公家のものと思われる牛車が通りかかりました。
「そなた…大江親広の御台ですな。」
私たちは内心驚き、輝は身構えました。
「…その様子…逃げるところですな。この牛車に乗りなさい。私がお送りいたそう。」
輝「何者にございますか?」
「私は土御門定通(つちみかどさだみち)です。とにかく乗りなさい。」
私たちは言われるがまま牛車に乗りました。
疑心暗鬼でしたが、牛車は京の外れまで来ました。
私「なぜ助けてくれるのですか?」
定通「我が主上は土御門上皇(つちみかどじょうこう)様。上皇様は此度の騒ぎに反対しておりました。私も同じです。だから、そなたたちを助けたのです。さあ早く逃げなさい。」
私「…ありがとうございます。」
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こうして私たちは京を離れました。
鎌倉では泰時が出陣しました。
しかし、急な出陣だったので、わずか18騎だったのです…。
つづく…
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