白の執権 〜第95話 女人会談〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




1218年正月を過ぎ、京に来ていた政子(まさこ)様は藤原兼子(ふじわらのけんし)様と会いました。


コアラ藤原兼子さんは後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)様の乳母で朝廷で権力を持っていたんだよ。




政子様は兼子様の推挙により従三位に叙せられました。



兼子「政子殿、久しぶりですね。頼朝(よりとも)公の上洛の時でしたから…」

政子「あれは建久元年(1190年)でした。28年ぶりですね。」

兼子「あの時は平家(へいけ)を倒した源氏(げんじ)の大将がどんな方か、女人たちは色めき立ちましたね。ハハッ」

政子「まぁ、ハハッ」



政子様はこの時のことを「以前は嫉妬深く、頼朝公にやきもちをよく焼いていましたが、年老いた今はそんな気が消えてしまっていた」と私に語ってくれました。




政子「此度は兼子様にお願いがあって上洛しました…鎌倉殿(実朝(さねとも)様のこと)のことです。」

兼子「鎌倉殿は和歌もお上手で上皇様もお気に入りです。」


源実朝


兼子「鎌倉殿の御台様は坊門家(ぼうもんけ)の信子(のぶこ)でしたね。仲はいかがですか?」

政子「夫婦仲はとてもいいのですが…子に恵まれませぬ。後継ぎに頭を悩ましている状態なのです。」

兼子「なるほど…将軍となる後継ぎですね。」

政子「後継ぎには高貴な方をお迎えしたいのです。御家人たちが納得する方…」

兼子「…それならば…皇族ならば誰もが納得するでしょ。」

政子「どなたかふさわしい方がいらっしゃいますか?」

兼子「上皇様の皇子で私が御養育されていただいている頼仁親王(よりひとしんのう)様です。」

政子「なんと、親王様とは。これにない方です。されど上皇様はお許しになさりますか?」

兼子「私からお許しを頂きましょう。京と鎌倉…これからも仲良くしなければなりませぬから。」

政子「まことに…」




政子様と兼子様、東西の権力をもつ女人の会談はさらに続けられました。




その頃、泰時は政子様の護衛で御所について来ていました。


泰時は御所の表で待っていました。そこに牛車が出てきました。


コアラ牛車って貴族の乗り物って感じだよね。



すると、牛車の中から…声がしました。

「止まれ」



ちょうど泰時の前で止まり、さらに牛車の中から声がしました。


「そこにいるは東夷(あずまえびす)だな。朕の宝剣は見つかったか?」


泰時「⁈」




牛車の窓が開きました。そして声の主の顔が見えたのです。

泰時「あっ、あなた様は…」






それは後鳥羽上皇様だったのです…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜





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