諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
将軍・源実朝(みなもとのさねとも)様が
「宋の国へ行く!船を作るのだ!」
と宣言したことで御家人たちは驚きました。
「宋の国って…」
「いったい鎌倉殿(実朝様のこと)は何を考えてる?」
「船を作れとは?」
「鎌倉に来た陳和卿(ちんわけい)の影響か?」
実朝様は陳和卿を中心に宋に渡る船…渡宋船を作るように命じました。
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これに対し、大江広元(おおえのひろもと)や北条義時(ほうじょうよしとき)は渡宋計画を止めるように説得しましたが…
実朝様の意思は固かったのです。
泰時も実朝様に意見しました。
泰時「鎌倉殿が宋へ渡るとは…いったい何のために?」
実朝「…私にも力が欲しいからだ。父上が目指した朝廷を超える力を!」
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泰時「宋に行って頼朝様の目指した力を手に入れられるとは思いませぬ。」
実朝「今の私は…御家人たちの飾りではないか。それだけでは終わりたくないのだ!渡宋船の建造は止めぬ!」
渡宋船の建造が進む中、泰時は政子(まさこ)様に呼ばれました。
政子「泰時、鎌倉殿を説得し続けているそうですね…」
泰時「はい、しかし鎌倉殿は聞く耳を持ちません。」
政子「光…いや輝(てる)入りなさい。」
そこへ政子様の忍びであり、実は泰時の母・光(ひかり)が入ってきました。
政子「輝に京で陳和卿について調べてもらいました。」
輝「陳和卿は東大寺の再建から外されていました。」
泰時「なんと⁉︎」
輝「再建に必要な材木を勝手に船作りに流用しようとしたと東大寺の僧侶から訴えがあり、後鳥羽上皇(こうばじょうこう)様が命じたのです。」
泰時「陳和卿は渡宋船を作るために鎌倉へ来て鎌倉殿に近づいた…。」
政子「そう考えられます。さらにはこの渡宋計画…朝廷の仕業では…」
泰時「もしや上皇の力が働いてる…」
泰時は朝廷が実朝様を鎌倉から離れさそうとしてるのではと考えたのです。
政子「泰時、この渡宋計画。なんとしても実行させてはなりませぬ。」
泰時「はい!潰してみせます。」
一方、鎌倉の由比ヶ浜では渡宋船が着々と作り上げられていました。
そして、1217年春。
渡宋船はついに完成したのです…。
つづく…
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