諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
御所を攻めた和田義盛(わだよしもり)でしたが幕府軍が兵を次々と加わるのに対し、和田軍は兵は減り、疲労していきました。
義盛は一旦、由比ヶ浜に退きました。
北条義時(ほうじょうよしとき)は退却する和田軍を攻めることはしませんでした。
義時「ここは様子を見よう。兵たちに再びの出陣に備えるように伝えよ。」
泰時「父上、和田には援軍が来るはずです。三浦義村(みうらよしむら)殿の話だと武蔵国の横山時兼(よこやまときかね)率いる横山党(よこやまとう)が来る手筈になっているようです。」
義時「ほぉ、泰時は義村に信頼されておるな。」
泰時「それより我らには援軍が来ますか?」
義時「相模、伊豆辺りの御家人なら、そろそろ来るはずだ。」
泰時は果たして、こちらの味方になるのか、戦況を見て和田軍に付きはしないか…気にかかりました。
幕府軍も和田軍も夜は動かず…夜明けが近づいてきました。
由比ヶ浜の和田軍…
義秀「父上!兵が来ましたぞ!」
義盛「何⁈ どちらの兵ぞ?」
かなりの大軍が和田義盛らの前に現れたのです。
義盛は叫びました。
義盛「我は和田義盛!どちらの軍ぞ⁈」
すると…
「義盛殿〜!我らは横山党!わしは横山時兼だ!我ら和田軍の援軍なり!」
これを聞いた和田軍は盛り上がりました。
それもそのはず、時兼は3000騎を率いていたのです。
それからしばらく経ち、幕府軍は進軍を始めました。
しかし、由比ヶ浜にいた和田軍が増えているのに気づき進軍を止めました。
義時「泰時の言うとおり、横山党が加わったか…ん?」
和田軍のさらに遠くに別の軍勢が見えました。
泰時「あれは…」
義時「相模、伊豆の御家人たちだ。」
義時「まさか…和田に付くつもりではあるまいな…」
この軍勢が和田軍に付けば幕府軍はひとたまりもありません。
義時はこの戦で初めて焦りの色を見せました。
その時、相模、伊豆の御家人の軍勢から数人の武士が馬で幕府軍に駆けつけてきました。
「我ら鎌倉殿(源実朝(みなもとのさねとも)のこと)の御家人!謀反人、和田一族を討ち果たしますぞ!」
義時はいささか驚きました。
そこへ大江広元(おおえのひろもと)が現れました。
広元「なんとか間に合いました。」
義時「広元殿、これは?」
広元「鎌倉殿の御教書を御家人たちに通達したのです。」
義時「さすが広元殿!これで我ら勝てまする。」
広元「これは泰時殿の案にごさいまする。いざという時に備えて御教書を準備すべきと言われましてな。」
義時は泰時を見ました。
義時「そなた…やりおるな!」
泰時「父上、さぁ決着をつけましょう!」
義時は幕府軍全兵に向けて叫びます。
義時「皆の者!主君に弓を引いた和田一族を討ち果たせ!!」
再び幕府軍と和田軍は激突しました…。
つづく…
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