白の執権 〜第76話 別れても似たもの〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




義時(よしとき)に執拗な挑発をされた和田義盛(わだよしもり)は決心します。

義盛「かくなる上は北条を討つ!皆の者、戦支度を致せ!そして、我らと同意する御家人に声をかけよ!」




コアラアセアセあわわぁ、和田義盛さんが決起すれば鎌倉は荒れるよ〜





一方、三浦義村(みうらよしむら)の館では義村の娘、優子(ゆうこ)が義村に会っていました。


コアラ優子ちゃんは泰時さんの前妻。でも泰時さんとは離婚しても繋がっているんだよね。


義村「優子、何ようか?わしは忙しいのだ」

優子「父上、どちらに行かれるのですか?まさか和田の館…」

義村「和田…そうだ。和田の館に参る。義盛から呼ばれておるのでな。」

コアラ和田は三浦の庶流、つまり親戚なんだよね。


優子「今の鎌倉の不穏な状況は私にもわかります。父上は和田に味方するのですか⁈」

義村「和田は三浦の一族ぞ!そなたも今は三浦の一族、佐原盛連(さはらもりつら)の妻ぞ!」

優子「北条に残した太郎(たろう)は我が子、父上の御孫にごさいます。それを敵に回すのですか⁈鎌倉を戦場にしたいのですか?」

太郎…後の北条時氏(ほうじょうときうじ)


義村は苦い顔で天を見つめます。


その時、義村の家臣がやってきて、


家臣「殿、北条泰時殿が御目通りを願って来ておりまする。」

優子「!」

義村「……仕方がない。通せ。」




義村は泰時に会いました。ただし、その場に優子は同席していませんでした。


泰時「義村殿、ご存知とは思いますが、和田義盛殿に不穏な動きがごさいます…はっきり申すと戦が起きます。」

義村「知っておる。されど、それはそなたの父、義時殿が望んだことではないか?」

泰時「…確かにそうかも知れません。しかし、此度の発端は泉親衡(いずみちかひら)と和田義盛殿の子、甥らが仕組んだこと。されど鎌倉殿は情けをかけ、義盛殿の子は許したではごさらんか!」

義村「しかし、甥の胤長(たねなが)は流罪となった…戦を仕掛けているではないか?」

泰時「胤長が謀反の企みに一番深く関わっていたからです。本来なら義盛殿の子も罪を受けるところだったのですぞ!」

義村「…泰時殿はわしに何をせよと言うのだ?」

泰時「和田に味方するのはやめて頂きたい!」

義村「北条に味方せよと?」

泰時「いや…北条に味方せよと申しませぬ。義村殿が和田に味方せぬだけでよいです。和田に戦ができぬような状況にしたいのです。そうすれば鎌倉を守れます。」




義村は泰時の言葉を聞き、大きな息をつきました。




義村「全く…そなたらは似たもの夫婦だな。」

泰時「似たもの夫婦?」

義村「されど、わしがどちらに味方してもしなくても戦は起きる……わしは泰時殿の味方になろう。わはははっ!」

そう言うと義村は笑いながら、その場から出ていきました。



コアラ泰時さんも優子さんも同じ考えで義村さんに会いに来ていたんだね。まさに似たもの夫婦。




しかし、義村は和田義盛の館に行ったのです。


義盛は義村に味方になるよう説得し、起請文まで求めました。

コアラ起請文って神仏に誓う文書なんだ。今回は「和田に味方をする」って神仏に誓わされたんだね。



義村『義盛め…神仏に誓わねばならぬほど、わしが信じられぬか…』




この時、義村は決心しました…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜









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