諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1212年、当時、鎌倉の御所では歌会が頻繁に行われていました。
将軍である源実朝(みなもとのさねとも)様が和歌に熱心だったのです。
その頃、泰時の異母弟で我の同母兄の朝時(あさとき)は頻繁に実朝様の歌会に参加していました。
ある日、父・義時(よしとき)と泰時は御所に出仕し、偶然に会いました。
義時「朝時、また鎌倉殿の歌会に出ていたのか?」
朝時「はい、なかなか和歌は奥が深うでごさいますな。ハハッ」
義時「和歌もよいが、ほどほどにな。そなたは武士であるぞ。」
そういうと義時は先に帰っていきました。
朝時「兄上、今日は政務でごさいますな。」
泰時「うむ…朝時、そなた…歌会に参加するのは他の目的であろう?」
朝時「えっ?何のことですか…?」
朝時は焦った様子でした。
泰時「隠さずともよい。…どの姫に惚れておるのだ?」
朝時「兄上にはかないませぬ…わしは鎌倉殿の御台様、信子(のぶこ)様にお付きの加奈(かな)殿です…」
泰時「ほぅ、信子様に仕える官女とは。で思いは伝えたのか?」
朝時「…なかなか…できませぬ。」
泰時「思いを文に書いて伝えるのはどうだ?かつて父上はそなたの亡き母、姫の前(ひめのまえ)殿に何回も文を書いて出しておったそうじゃ。」
朝時「父上が!なるほど…」
泰時「まぁ、好きな姫に熱を入れるのもよいが、父上のいわれたとおり、我らは武士。ほどほどにな。」
朝時は自邸に戻り、思いを文に書きました。
その文を加奈に出しました。
しかし、何通も出しましたが加奈は一向になびきませんでした。
朝時「なぜだ?わしの思いは伝わっておらぬのか?ならば…」
夜も更けた頃、朝時は加奈の寝所のある館に忍び込んだのです。しかし…
「誰だ⁈ くせ者!」
朝時は見張りの者に見つかってしまったのです…。
つづく…
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