白の執権 〜第70話 年の差婚〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️



諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




1211年、私は兄である泰時の館に行きました。

竹子「兄上…」

泰時「ん?どうした?竹子…泣いておるのか?」


私は泰時の胸に飛び込み、泣きじゃくりました。

コアラ竹子ちゃんにとって泰時さんは異母兄だけど慕っていたんだね。




竹子「父上が私に嫁に行けと言われました。」

泰時「嫁に⁈ 相手は誰だ?」

竹子「大江親広(おおえのちかひろ)様です…。」

泰時「親広殿は大江広元(おおえのひろもと)殿の嫡男だが、歳が離れすぎではないか。」


コアラ史実では親広さんの年齢は不明だけど…この時、30代後半から40じゃないかなぁ。竹子ちゃんはこの物語ではまだ11歳だよ。離れすぎ!



わしは親広の父、大江広元じゃ


泰時「確か親広殿は正室がいたが…お亡くなりになったとか…」

竹子「私は側室です。」

泰時「うむ〜、よし!わしが父上に子細を聞いてこよう!」




泰時は父、義時(よしとき)の館に行きました。

そこには政子(まさこ)様も居合わせました。

泰時「これは叔母上、ちょうどよいところにいらっしゃいました。」

政子「どうしたのですか?」

義時「…用件は竹子のことであろう?」

泰時「はい。ならば話が早い。歳の離れて…いや離れすぎている竹子を大江親広殿に側室に出すとはいかなることですか?これでは竹子が不憫で…」

義時「親広は正室がおらぬ、だから竹子が正室だ。それに大江氏は幕府設立以前から源頼朝(みなもとのよりとも)様に従い、今も幕府にはなくてはならないのだ。その家に嫁ぐのだぞ。」

泰時「されど…歳が離れ過ぎです!」

政子「まあまあ、泰時、落ち着きなさい。親広は父の広元殿に似て、鎌倉殿の信頼を得ています。さらに義時の片腕としても必要な人物。これから先、北条と大江が縁つづきであることが鎌倉にとって良いことなのですよ。」


コアラ親広さんは寺社奉行なんかを務めるほど鎌倉殿の源実朝(みなもとのさねとも)さんから重用されていたんだよ。


泰時は政子様の言葉に何も言い返せませんでした。


そこへ私が入っていきました。

竹子「…父上、そういうことなら、私は親広様のところへ嫁ぎます。」

義時「竹子…言葉足らずの父を許しておくれ。親広は優しい男だ。そなたを大切にしてくれるはずだ。」

竹子「はい、兄上、心配してくださってありがとうございます。竹子は嬉しゅうございます。」

泰時「竹子…困ったことがあったら言ってくるのだぞ。」




泰時と竹子の兄妹仲睦まじい姿を見て義時も政子様も目を細めました。


こうして私は大江親広様の元に嫁ぎました。

コアラまぁ、親広さんはこの先にすったもんだあるんだけど…それはまだずぅーと先のこと。



同じ年の夏の終わり…鎌倉の鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)で出家した男子がいました。

現在の鶴岡八幡宮



それは二代将軍、源頼家(みなもとのよりいえ)様の遺児で今は実朝様の猶子である善哉(ぜんざい)でした。



善哉は出家し、公暁(くぎょう)の法名を受けたのです。






そして公暁は修行で上洛し、その後、園城寺(おんじょうじ)に入りました。


後にこの公暁がとんでもないことを起こすのですが、この時、誰も予想はできませんでした…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜








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