白の執権 〜第68話 怒られる二人〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。



「私を離縁してください」


関東諸国の旅より帰ってきた泰時に妻・優子(ゆうこ)からの驚く言葉でした。


泰時と優子は居間に入り、2人っきりで話し出したのです。


泰時「離縁とは…一体どうしたのだ?」

優子「…殿に謝らなければなりませぬ。」

泰時「何を謝るのだ?訳がわからない。」

優子「殿と私の結婚は…我が父、三浦義村(みうらよしむら)の策略です。父はいずれ北条を乗っ取り、北条に取って代わろうと企んでいるのです。」

コアラ三浦氏は北条に続く権力を持っていたんだ


三浦氏の家紋、三浦三つ引き



泰時「義村殿が…北条を乗っ取るとは如何なることじゃ?」

優子「殿を味方に引き込む策だったのです。それで私を殿の正室にしたのです。」

泰時「…」

優子「父は殿に忍びを付け、見張っています。常に殿を監視しているのです。」


泰時は旅の間、自らを付けていた忍びのことが頭に浮かびました。

泰時「あやつが義村殿の忍び…優子、なぜ義村殿の策略をわしに打ち明けた?そなたの父を裏切ることになるぞ。」

優子「私を離縁すれば父の策略を破れまする。私は殿には武家同士のドロドロとした争いに入ってほしくありませぬ!私は…すでに三浦の人間ではありませぬ。北条の人間なのです!」


優子は目に涙を浮かべていました。





泰時は優子を抱き寄せました。


泰時「策略でそなたと一緒になったわけではない!わしはそなたに惚れたのだ!離縁などできぬ!」

優子「されど…離縁しても私は殿をお慕いし続けます。私が影ながら殿をお助けしとうごさいます。どんな形であろうと殿をずっとお慕いします!」




泰時は考えました。離縁はしたくない、しかし優子は固い決意に満ちている…そして今、北条と三浦が争えば鎌倉は割れ、武士の世は崩壊する…



泰時「……わかった。そなたの決意に従おう。」

優子「殿…」

泰時「されど…わしが誰にも負けない力を持ったら必ずそなたを呼び戻す。よいな?」

優子「はい!」




泰時は優子と離縁をしました。形の上では泰時が追い出したということにしたのです。


コアラ史実では泰時は離縁してるけど、はっきりした理由は不明なんだ。





優子は義村の元へ戻ると、怒ったのは義村でした。


義村「なぜ離縁されたんだ⁈」

優子「私に至らぬところがあったからでしょう…しょうがないですね。」


優子は苦笑いをしました。


義村「何を笑っておる!…また次の嫁ぎ先を探せねばの。」




泰時も父、北条義時(ほうじょうよしとき)に怒られていました。

義時「三浦とは繋がっておらねばならぬのに、何をしておるのだ⁈」

泰時「しっかりできる嫁は要りませぬゆえ…」

義時「全く…」



泰時と優子は本心を隠したまま、それぞれの親に怒られていました…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜








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