諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
泰時と家臣の尾藤弥助(ひどうやすけ)、長崎次郎(ながさきじろう)は新田荘(にったのしょう)に向かう途中、楠で雨やどりをしていたら新田氏(にったし)の新田尼(にったのあま)に出会いました。
新田尼「もしかして新田荘に向かわれてますか?」
泰時「ええ、我らは諸国見聞の旅をしておりますゆえ。」
新田尼「私も新田に戻るところゆえ、一緒に参りましょう。」
雨が止み、晴れ間が出てきました。
泰時らは歩き始めました。
泰時「尼御前様、ご一緒の2人の御子は?」
新田尼「この子らは私の孫です。源太(げんた)と小次郎(こじろう)と言います。」
泰時「ほう、尼御前様の息子さんの子ですね?」
新田尼「いいえ、私の娘の子です。娘は足利(あしかが)に嫁に行っていましたが離縁され新田に戻ってきました。」
泰時「…足利に」
泰時は離縁された娘が嫁いでいたのは畠山義純(はたけやまよしずみ)であると気づきました。
新田尼「我ら新田は初代当主・新田義重(にったよししげ)公が源頼朝(みなもとのよりとも)様の御不況を買って以来、鎌倉から冷遇されております。同族の足利を頼りにしなければなりません。」
新田氏は頼朝様から源氏一族とは認められず、官位も低いものだったのです。
新田尼の2人の孫は率先して先導していました。
泰時「お孫さんは活発ですね。将来が頼もしいですな。」
新田尼「2人は外孫ですが、新田の一族として育てたいと思っております。」
2人の孫は後に岩松氏(いわまつし)、田中氏(たなかし)の祖となりました。
しばらく歩くと土地を開墾しているものたちがいました。
泰時「これは…」
新田尼「ここはもう新田荘です。土地を少しでも開墾して田畑を拡げております。」
泰時「開墾しているのは…武士では?」
新田尼「はい。新田では武士も百姓も関係なく、皆で開墾しております。協力して食いぶちを拡げねばなりませぬ。」
開墾している中で、ただ立っているものの姿が見えました。
新田尼「…また、あの子は…」
泰時「あちらは?」
新田尼「新田の現当主の新田政義(にったまさよし)です。」
新田政義は新田の4代目の当主です。その姿を見て泰時は頼りなさを感じました…。
つづく…
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