白の執権 〜第63話 雨やどり〜 | 歴史を感じよう

歴史を感じよう

日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️



諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。



山伏姿に身を変えた泰時らは足利荘から上野国の新田荘に向かっていました。


コアラ足利荘と新田荘は近いんだね。


泰時は先にあった畠山義純(はたけやまよしずみ)のことを考えていました。

泰時『義純殿は我が北条の娘を妻に迎えたため、それまでいた妻を離縁したと言っていた…離縁した妻は、新田(にった)の娘だとも…』



新田は北条に対して悪い感情を持っているだろうと泰時は思いました。




しらばく歩いていると小雨が降ってきました。

泰時の家臣、尾藤弥助(びとうやすけ)が、

弥助「殿、雨やどりできる場所を探してまいります。」

泰時「うむ、頼む」


弥助は雨やどりできる場所を探して走り出し、泰時はもう1人の家臣、長崎次郎(ながさきじろう)はゆっくり歩き出しました。



まもなく弥助が戻ってきて、

弥助「殿、この先に大きな楠がありました。そこで雨やどりできます。」

次郎「今はまだ小雨、強くなる前にその楠に急ぎましょう」

泰時「うむ」





泰時らは楠にたどり着き、しばし休憩を取りました。



すると、

次郎「殿、向こうから尼さんがやってきます。どうやら子供もいますね」


次郎が指をさした方向を見ると、尼僧が2人の子供を連れて、こちらに足早にやってきました。


尼僧「これは…我々も一緒に雨やどりさせてもらえますか?」

泰時「どうぞ、こちらへ」



尼僧らが楠の下に入った途端、雨が強く降ってきました。

子供達「ひゃ〜、危ないところだったね。もう少し遅かったらびしょぬれになってたね。」

尼僧「山伏姿…修行ですか?」

泰時「我らは諸国を旅するものです。我は…金剛坊(こんごうぼう)と申します。」

コアラ泰時さんの幼名は金剛なんだよ。


尼僧「私は新田荘に住まう尼…回りの人からは新田尼(にったのあま)と呼ばれています。」

泰時「新田尼…もしや、新田氏の尼御前様では…?」

尼僧改め新田尼「私をご存知ですか?」

泰時「我らは先に鎌倉も回ってきて、そこで尼御前様のことも話に聞きましたゆえ」


泰時はとっさにそう答えましたが、新田尼のことは知っていました。

新田尼は新田氏2代目当主、新田義兼(にったよしかね)の正室で新田氏を実質差配していたのです。


年は重ねていましたが足腰はしっかりしていて、鋭い目をしていると泰時は感じました…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜







にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
にほんブログ村
コアラ宜しければバナーをクリックしてね。