諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1205年、泰時は祖父・時政(ときまさ)が幽閉された伊豆国に来ていました。
時政の幽閉先は粗末な館でした。
泰時と会った時政は少しやつれた感じでした。
時政「わざわざ伊豆までわしに会いに来てくれたか?」
泰時「お祖父様に聞いておきたいことがあり伊豆に来ました。この前の事件…」
時政「…発端は我が子、政範(まさのり)の京での死だった。」
時政「それを聞いて妻は畠山(はたけやま)が暗殺したんだと決めつけて騒ぎだし、わしもそれに乗ったが…政範を暗殺したのは…義時であろう。」
泰時「なんと⁈ 我が父が?なぜ?」
時政「証拠はない。わしは北条氏の家督を政範に継がせようと考えていたからな。義時はそれを感じていたのだろう…」
泰時「それで実朝様を廃そうとしたのですか?」
時政「軟弱な実朝もろとも義時も…と思ったが義時の方が一枚上手だった。さすがわしの子じゃ…腹黒いわ。」
泰時はやるせなさを感じていました。
時政「されど北条は義時に任せておけば安泰じゃ。腹黒い御家人ばかりじゃからの…鎌倉は…」
泰時「…お祖父様、お祖父様は京との繋がりはおありか?」
時政「京…わしは亡き源頼朝(みなもとのよりとも)公の命で京に滞在し朝廷との交渉役をしておったが…」
泰時「裏で朝廷の力が働いているのかと…」
時政「……わしの行動は妻の意見によるものが多かったからの。妻は何も言わぬが…妻に朝廷の力が及んでいたかもしれん。されど証拠はない。」
泰時「我ら武士同士を争わせて力を削いで、得をするのは…朝廷です。」
時政「泰時はそこまで読んでおるのか…泰時、わしや義時のようにはなるな。黒にはなってはいかんぞ。」
泰時「しかし、その黒さを持たねば…」
時政「黒の部分は義時と政子が全て背負うだろ。政子はそなたに期待をしておる。わしもだ…」
泰時「…」
時政「わしはもう鎌倉に戻ることはあるまい。残りの余生、伊豆の地より見させてもらうぞ。」
泰時は伊豆国を後にしました。
『お祖父様と朝廷が繋がっている確証は無かった…しかし朝廷の影響はあるように感じる。』
泰時は様々な思いを持ち鎌倉へ帰路を進みました。
泰時は気づいていませんでした…泰時をずっとつけているものがいることを…
義時は此度の事件に関わった京にいる平賀朝雅(ひらがともまさ)を討ちました。
執権となった義時には新たに子が誕生しました。
幼名を四郎(しろう)、後の北条政村(ほうじょうまさむら)です…。
つづく…
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