諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1204年11月、京より報せが届きました。
源実朝(みなもとのさねとも)様の御台所になる坊門信子(ぼうもんのぶこ)様を迎えに行った鎌倉の武士群に入っていた北条政範(ほうじょうまさのり)が急死したのです。
泰時は政子(まさこ)様の元でその報せを知りました。
泰時「政範殿はまだ16歳…お祖父様はお悲しみでしょう。」
政子「父はともかく…牧の方は騒いでおるようです。」
泰時「騒ぐ?…一体どういったことでしょう?」
政子「京よりもう一つ報せがありました。鎌倉から行った武士群の中の畠山重保(はたけやましげやす)と京守護の平賀朝雅(ひらがともまさ)が酒宴で言い争いになったそうです。」
泰時「平賀朝雅はお祖父様と牧の方様の娘を正室にされていますね。」
政子「牧の方は重保が政範を殺したと騒いでいるのですよ…なんの証拠もないのに…」
政子様は形の上では時政の継室である牧の方は母親にあたるのですが…牧の方のことを嫌っていたようです。
泰時「言い争いとは?」
政子「光…いや輝(てる)の報せでは朝雅が重保を挑発したと。良からぬことが起きなければよいのですが…」
この後、政子様の心配は現実となっていきます。
泰時「ところで叔母上に見せたいものがございます。」
泰時が懐より出したのは髪紐でした。
政子「これは…」
泰時「輝が私にくれたものです。私の実の母のものだと…」
政子「…」
泰時「輝は我が母と関係があるのでしょうか?輝は古い友人だと言っておりましたが…」
政子「…私にはわかりませんが、輝がそういうのならそうなのでしょう。」
泰時「輝は母は生きていると言っていました。いずれは会える時が来るでしょう。」
政子は泰時に対し申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
その頃、時政は我が父、義時(よしとき)と話し合っておりました。
時政「畠山は謀反を企んでいるのではないか?義時どう思う?」
義時「父上、畠山重忠(はたけやましげただ)殿は亡き源頼朝(みなもとのよりとも)公に仕えた忠臣です。わしも忠義の厚い人物と思っております。謀反を企むなんぞ、あり得ませぬ!」
時政は義時の重忠を思う強い気持ちに押され、何も言えなくなりました。
その後、京より実朝様に嫁がれる坊門信子様が鎌倉の武士群とともに鎌倉に来られたのです。
そして、時政は密かに策略を巡らしていました…。
つづく…
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