諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1204年初夏、父・義時(よしとき)の館に御家人が訪ねていました。
それは伊賀朝光(いがともみつ)でした。
朝光「義時殿、先頃の比企(ひき)の騒動で御正室と離縁したとか?」
義時「ええ、まぁ。謀反人の一族を我が家に置けませんので。」
朝光「では今は独りですな…我が娘を継室にしてはいかがでしょうか?」
義時「朝光殿の娘御を?」
朝光「ええ。我が伊賀家も北条家と縁を結んで鎌倉を守りたいのです。我が娘は歳は20。名を光子(こうこ)と申します。」
義時「……鎌倉を一緒に守りたいのですね。わかりもうした。わしに嫁いでもらう前に朝光殿にやってほしいことがございます。」
朝光「やってほしいこと?それは…?」
泰時は御所で新たな鎌倉殿であり征夷大将軍となった源実朝(みなもとのさねとも)様に仕えていました。
泰時は義時と祖父・時政(ときまさ)が伊豆に流罪となった前将軍の源頼家(みなもとのよりいえ)様を暗殺するのではと考えていました。
泰時『確かに頼家様を担ぐものがいたら鎌倉は荒れてしまう…しかし…暗殺というやり方は…』
悩んだ泰時は政子(まさこ)様に会いに行きました。
政子「泰時、何を悩んでおるのです?」
泰時「…叔母上、伊豆からは便りなどはございますか?」
政子「伊豆…頼家のことを心配しているのですね、あの子は出家し仏に仕える身。…鎌倉から追放した私に便りなどありませぬ。」
その時、義時が現れました。
義時「おぉ、泰時もおったのか…姉上、わしは伊賀朝光殿の娘を嫁にとることにしました。」
泰時「…」
政子「継室ですね…」
義時「朝光殿がわしの頼みを受けてくれたゆえ。これでわしも安心です。」
政子「そなたの頼み…そうですか。」
これを聞いた泰時は感ずるものがありました。
泰時『父上が安心できるとは…やはり頼家様を…』
泰時は御所を飛び出し馬に乗り、駆け出しました。
伊豆の修禅寺(しゅぜんじ)では頼家様がお経をあげていました。
ここ最近、暑い日が続いていました。
お経をあげ終えた頼家様は寺の住職に勧められ風呂に入ることにしました。
頼家「こう暑い日は風呂に入るに限るの」
頼家様が入浴し、くつろいでいると…
ガタッ、ガタガタッ!
外から物々しい音が響いてきました…。
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