諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
鎌倉では新たに「十三人の合議制」を作りし若年の鎌倉殿、源頼家(みなもとのよりいえ)様を補佐する体制を整えました。
1199年6月、泰時は大倉御所に行きました。
目的は政子(まさこ)様の次女、乙姫(おとひめ)様の病気見舞いでした。
泰時「乙姫様の具合はいかがですか?」
政子「…よくありません。京より医師が来てくれ、一時は食事もできるようになったのですが…」
政子様に手を握られている乙姫様はぐったりとしていました。
政子「乙姫は入内間近で殿が亡くなり…もう入内など、どうでもよいから乙姫の病が治ることを願います。」
その時、1人の武士が居間の外より声をかけてきました。
「姉上、よろしいですか?」
政子「時房(ときふさ)ですね?」
それは政子や義時(よしとき)の異母弟にあたる北条時房でした。
政子と泰時は乙姫を医師に託して居間を出ました。
政子「いかがしたのです?」
時房「鎌倉殿が近習の武士に命じ、戦支度を始めています。」
泰時「戦?相手は誰ですか?」
時房「安達景盛(あだちかげもり)殿です。」
政子「安達景盛⁈ 景盛の父、盛長(もりなが)は亡き殿が流人の時より仕えてきた律儀者。その子、景盛も亡き殿によく仕えておりまする。その景盛が何をしたのです?」
時房「鎌倉殿が景盛殿の愛妾を気に入り、側女にしようとしましたが…景盛殿がそれを断り、怒った鎌倉殿は愛妾を近習に命じて連れ去ってしまったのです。」
泰時「それでは飽き足らずに鎌倉殿は景盛殿を討つと?」
時房「はい。普段から鎌倉殿と景盛殿は不仲でしたから…」
政子「全く、あの子は…妻も子もいるというのに…」
政子様はそう言うと立ち上がり、頼家様のところへ向かいました。
泰時も後に続きましたが時房は動きませんでした。
泰時「叔母上、叔父上が付いてきませんが⁈」
政子「…時房は頼家を見張るために頼家の近習にしておきました。」
泰時「間者…」
政子様と泰時が頼家様の居間に入ると、そこには鎧をまとった頼家様がいました…。
つづく…
にほんブログ村


