諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
(泰時はこの時点で頼時(よりとき)と名乗っています。)
1195年に入り、源頼朝(みなもとのよりとも)様は正室の政子(まさこ)様や子の頼家(よりいえ)、大姫(おおひめ)を連れ上洛しました。
頼時も頼朝様に同行したのです。
一行はまず、東大寺の落慶供養に参列しました。
頼時は初めて大仏殿を見て、感じ入っていました。
頼時「これが大仏殿、なんと穏やかなお顔なのだ…。心が洗われるようだ。」
政子「私も初めて見ましたが…素晴らしいですね。鎌倉にもこのような大仏殿を建てたいものです。」
この願いは後に叶うことになります。
東大寺の落慶供養に参列後、頼朝様一行は京へ入りました。
頼朝様は大姫の入内工作に奔走しました。
それまで頼朝様は京では九条兼実(くじょうかねざね)と親しくしていました。
しかし、今回は宮廷での実力者である土御門通親(つちみかどみちちか)と丹後局(たんごのつぼね)に会っていたのです。
頼朝様は通親や丹後局に金品を贈ったり、政子様や大姫を会わしたりと入内工作に必死でした。
その間、頼時は頼家の都見物に付き合わされていたのです。
頼家「頼時、今日は一条殿の館で蹴鞠をするぞ。」
頼時「蹴鞠ですか…、私はご遠慮したいのですが…」
頼家「何を言っておるのだ。六波羅の館に居ても暇でつまらぬ。さぁ、行くぞ!」
頼時は頼朝様の身辺が心配でしたが、頼家の強引さに渋々付き合っていたのです。
頼時は頼朝様が鎌倉派の九条殿でなく、反鎌倉派といわれる土御門殿に近づくのか、そこまでして大姫を入内させる意図は何なのか…考えていました。
頼時「鎌倉殿は東国の政には飽き足らぬのであろうか…?」
その夜、頼朝様一行の宿泊先である六波羅の館に忍び寄るものがいたのです…。
つづく…
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