白の執権 〜第22話 考える金剛〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️



諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子です。





富士の巻狩りが終わり、鎌倉へ戻っていた金剛(こんごう、泰時の幼名)は祖父・北条時政(ほうじょうときまさ)に対する疑惑で頭がいっぱいでした。


「お祖父様が頼朝(よりとも)様を暗殺しようとした⁈」

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北条時政



コアラ富士の巻狩りの最終夜に起こった曾我兄弟の仇討ち曾我時致(そがときむね)さんが頼朝さんの寝所を襲ったんだ。それがどうも時政さんの企てらしいんだよね。




時政は頼朝様が平家(へいけ)を討つため、挙兵する前より協力しており、常に頼朝様を支えていたのです。


さらに頼朝様の正室、政子(まさこ)様は時政の娘。

コアラ政子さんは時政さんの反対を押し切って頼朝さんと結婚したんだ。時政さんは仕方がなく結婚を認めたんだよ。


「お祖父様が我が娘婿を暗殺しようとするなど…鎌倉を、武士の世を作るために奔走していたお祖父様にありえないことだ…。」


金剛は自らの中で否定しようと自問自答を繰り返していました。



しかし、仇討ち騒動の後、金剛の父、義時(よしとき)がもらした言葉が頭をよぎります。

義時「父上なら暗殺をやりかねん…。」






自問自答を繰り返す日々の金剛は鎌倉の市中を歩いていると前から馬に乗った御家人の多賀重行(たがしげゆき)がやって来ました。


金剛は重行に気にせず、そのまま歩き、重行も馬に乗ったまま、すれ違いました。

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この様子を遠くから頼朝様が見ていたのでした。


頼朝「今のは金剛と御家人の多賀重行だな…、重行を呼べ!!」





重行は頼朝様の館に行きました。

重行「わしはなぜ呼ばれたのだろう?もしや褒美をくれるのかも…」



重行の前に現れた頼朝様は怒り口調でした。

頼朝「そなた、先ほど、北条の金剛とすれ違ったな。」

重行「金剛殿…はい、何やら考え事をしていたようでしたが…。」

頼朝「そなたはなぜ下馬しなかったのだ?」

コアラ目上の人と会ったら馬から降りて礼をするのが当然なんだね。これを下馬の礼って言うんだ。


頼朝「金剛は幼少とはいえ、北条家のもの。我が外戚なのだ。そなたと北条は序列において雲泥の差があるのだぞ!そなたは非礼な行為をしたのだぞ!」

褒美をもらえる予想をしていた重行は慌てました。

重行「ただすれ違っただけで、わしは非礼なことはしておりませぬ。」

頼朝「目上のものに対して馬に乗ったままの行為が非礼でなくて何だと言うのだ⁈」

重行「ああっ、金剛殿も非礼とは思ってないはず。金剛殿に聞いてもらいたい。」



頼朝様はすぐさま金剛を呼び出したのです…。





つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜








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