諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1192年3月、鎌倉の源頼朝(みなもとのよりとも)様に京から報せが入りました。
頼朝様が待っていた報せでした。
それは後白河法皇(ごしらかわほうおう)様が崩御だったのです。
頼朝「法皇がお隠れになったか……京の九条兼実(くじょうかねざね)殿に使いを出せ。」
政子(まさこ)「殿、征夷大将軍になられるのですね。」
頼朝「法皇は我が強敵であった。しかしお隠れになった今、わしに対するものはいない。」
頼朝様は征夷大将軍職を求めて兼実を動かしたのです。
その頃、我が父・北条義時(ほうじょうよしとき)は姫の前(ひめのまえ)に会っていました。
姫の前「私への文、とても嬉しく思います。」
義時「一緒になる前に断っておきたいことがごさいます。わしには子が…金剛(こんごう、泰時の幼名)います。」
姫の前「はい、存じております。先日、金剛殿に会いました。」
義時「なんと、既に会っておりましたか⁈ 」
姫の前「金剛殿は父上をよろしくお願いしますと言っておりました。とても利発ですね。」
義時「金剛は生まれて、すぐ母親がいなくなり寂しい思いをさせてしまいました。あなたには我が妻になると同時に金剛の母として相対してほしいのです。」
姫の前「承知しておりますよ。」
姫の前は義時に寄り添い、義時は姫の前を抱きしめました。
しかし、この時は後に起こることを義時も姫の前も金剛も想像できませんでした。
1192年7月、ついに頼朝様は征夷大将軍に任命されました。
天皇の判断を仰ぐことが必要のない軍の最高司令官の権限が備わっていた征夷大将軍は諸国に頼朝様の地位を知らしめる最高の称号でした。
そして1192年9月、姫の前は義時の元に嫁ぎました。
その婚礼は盛大に行われました。
その席で義時に1人の武将から酌を受けました。
「さぁ、花婿殿…」
それは姫の前の叔父に当たる比企能員(ひきよしかず)でした…。
つづく…
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