世は群雄割拠の戦国時代。
わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。
葬儀の夜遅く、綱成(つなしげ)と忍びの美郎(よしろう)は寝込みを襲ってきた賊を捕らえました。
綱成は賊の頭巾を剥ぎ取り、顔を見ました。
綱成「こいつは…女!」
美郎「おまえは……美咲(みさき)!」
綱成「美郎、知っているのか⁈ 」
美郎「美咲は我らと同じ風魔(ふうま)の忍び。しかし、美咲は風魔から出奔したもの…。」
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そこへ、わしや小太郎(こたろう)が駆けつけました。
美郎「美咲、おまえが…なぜ北条様を襲う⁈ 」
美咲「……北条は私の一族の敵だからさ。」
美郎「一族とは?」
美咲「私の母は北条に滅ぼされた三浦(みうら)に仕えた武家の出。おまえらに滅ぼされた三浦だ!」
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美咲「母は若くて家を無くし苦労したんだ。そんな母を助けてくれた武士であった父と出会い、私を産んだ。」
美郎「その武士とは?」
美咲「安房の里見(さとみ)に仕える武士であった。しかし…父はおまえら北条との戦いで死んだ。母はまた北条に大切な人を殺されたんだ!」
綱成「……母親は?」
美咲「母は病になり幼い私を風魔に入れ、やがて死んだ…。私は北条への恨みを抱き…風魔に入ったのさ。いつかおまえらに復讐するために!」
そう言うと美咲は美郎を振り払い、自らを刺そうとしました。
しかし…バシッ!!
美咲の持つ小太刀を小太郎が弾き飛ばしました。
小太郎「美咲、おまえの母は北条様を恨んではおらぬ。」
美咲「何を言うのだ⁈ 確かに母は…」
小太郎「おまえはそれを母から聞いたのか?」
美咲「…いや…」
小太郎「おまえは母が恨みを持っているという話を聞いて風魔から出奔したんだな?」
美咲「…そのとおりだ。」
小太郎「おまえの母は私を頼り幼いおまえを連れて風魔に来たのさ。」
美咲「母を知ってるのか?」
小太郎は美咲の母のことを語りました…。
つづく…
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