世は群雄割拠の戦国時代。
わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。
1544年、信濃侵攻をしていた甲斐国の武田晴信(たけだはるのぶ)とわしは和睦し同盟関係となりました。これが甲相同盟(こうそうどうめい)です。
わしは武田との同盟に関し、河越城(かわごえじょう)にいる綱成(つなしげ)に断わりを入れておきました。
武田は綱成にとって実父の仇なので少々心配したのです。
無論、その使いは忍びの小太郎(こたろう)です。
綱成「…武田との同盟、現状を考えれば致し方のないこと。氏康様が私のことを気にかけて頂けるのが申し訳ないことだ。」
小太郎「実はもう一つ、氏康様からの言付けがあります。」
綱成「ん?言付けとは…。」
わしは亡き父・氏綱(うじつな)の死が毒を盛られたことを綱成には伝えておきたかったのです。
綱成には驚愕だったでしょう。
綱成「氏綱様が毒殺されていたとは…。犯人はわかっておるのか?」
小太郎「わかりませぬ。調べてはおりますが…。」
綱成「どこかの間者が紛れ込んでいたのかもしれん。北条は上杉、今川(いまがわ)、里見(さとみ)と敵に囲まれている。さらに武田とて油断はならぬ。」
小太郎「私は女の間者ではないかと…毒を盛ることのできるものは台所に出入りしているものと思うのです。」
小太郎「このことは綱成様のほかには氏綱様の弟・長綱(ながつな)様しか知りませぬ。他言無用でお願い致します。」
綱成「うむ。私も用心せねばならぬな。それより小太郎、氏康様に上杉の様子を伝えておいてくれ。少しおかしいのだ…。」
綱成は上杉の兵と戦っておりましたが、この頃、上杉の兵がすぐに退いてしまうというのです。
綱成は最初から戦う気が感じられないと思っていました。
何かを企んでいる…綱成にはそう感じたのでしょう。
わしは綱成よりの伝言を胸の内に閉まっておきました。
1545年、駿河国の今川義元(いまがわよしもと)が北条と和睦したいと言ってきました。
その仲介を武田が行なっていたのです。しかし、今川は北条が領地とした河東の地を返せというのです。
わしは難色を示し和睦にはならなかったのです。
義元「くっ!北条め、元は我が今川の家臣のくせに!」
ところが今川に北条を倒すために手を差し伸べたものが出てきたのです。
それは山内上杉家でした。綱成の心配が現実のものとなったのです…。
つづく…
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