世は群雄割拠の戦国時代。
わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。
1541年、我が北条に対抗する扇谷上杉家(おうぎがやつうえすぎけ)は関東管領・山内上杉家(やまのうちうえすぎけ)と結んだのです。
扇谷上杉家の朝定(ともさだ)さん、敵対していた山内上杉家の憲政(のりまさ)さんに助けを求めたんだね。それだけ北条に追い詰められていたってことだね。
氏康「まことか⁈ 」
小太郎(こたろう)「はい。両家で書状にやり取りがありました。」
氏康「うむ〜、今川(いまがわ)とも河東の地で対立が続いてるこの時期に両上杉に攻められるとは…。」
その場に氏綱が入ってきました。
氏綱「小太郎、両上杉の様子はどうだ?今すぐ攻めかかってきそうか?」
小太郎「その気配はないと思います。」
氏綱「氏康、玉縄城に兵を固めるように伝えよ。」
氏康「玉縄は祖父・早雲(そううん)公が築いた武蔵国からの攻撃に対する防波堤の城。備えをするわけですね。」
氏綱「そうだ。それと河越城に綱成(つなしげ)を城代として入れよ。河越城は元は扇谷上杉の城。朝定は取り返しにくる。」
氏康「綱成なら城を守り抜くでしょう。今すぐ使いを走らせます。」
氏綱「……うっ、」
バタンッ!
その時、氏綱は血を吐き倒れました。
小太郎「誰か!薬師を呼べ!」
氏綱を床に運び、薬師に見せました。
薬師「……毒による吐血です。」
氏康「!!毒を盛られたと⁈ 」
薬師「一度ではありませぬ。複数回と思われます。その結果、身体が毒にむしばまれています。」
氏康「一体、何者が…。」
戦に勝てない場合、暗殺という手を使うものもいたんじゃないかな。
しばらくして氏綱は目を覚ましました。
氏康「父上、大丈夫ですか?」
氏綱「…氏康、先ほどの策は実行したか?」
氏康「小太郎に手配させています。それより父上のお身体が…。」
氏綱「早く動かねば上杉が攻めてくるぞ!…わしはもうわずかかもしれん。」
氏康「なにをおっしゃいます!もしや毒を盛られたこと、気づかれていたのでは…?」
氏綱「うむ…今となっては手遅れじゃ。だからこそ上杉の対抗策を話したのじゃ。氏康…これからはそなたが北条の当主となるのじゃ。」
氏康「それがしが北条の当主!」
氏綱「…伝えたいことがある。」
氏綱は一通の書状をわしに手渡しました…。
つづく…
次回をお楽しみに〜
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