世は群雄割拠の戦国時代。
わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。
1530年6月、わしは攻めてきた扇谷上杉朝興(おうぎがやつうえすぎともおき)の軍と小沢城(おざわじょう)から出て麓で戦いました。
しかし、この戦いでわしの率いる北条軍は敗れてしまい、一旦小沢城に撤退し籠りました。
朝興「小童め!まだまだ若いの。よし、我が軍はこの辺りで陣を敷くぞ!」
扇谷上杉家の軍は夜営をしたのです。
小沢城に戻ったわしを迎えたのは忍びの小太郎(こたろう)でした。
氏康「小太郎、何の使いだ?父上からの説教か⁈ 」
小太郎「いえ、玉縄城(たまなわじょう)にいる綱成(つなしげ)様からの伝言です。これを…。」
わしは小太郎から綱成からの書状を受け取りました。
そこには「真っ向から戦うより敵の驚く動きをすれば状況は変わります。幼い頃のイノシシ狩りしかりです。」と書かれてありました。
氏康「イノシシ狩り……。」
わしは幼い頃に行ったイノシシ狩りを思い出しました。
わしを襲ってきたイノシシの前に綱成が飛び出し、驚いたイノシシは綱成を跳ね、方向を変えた。おかげでわしは助かった……。
綱成はイノシシの驚く動きを取り状況を変えた…!
わしは守役であった清水吉政(しみずよしまさ)を呼び出しました。
氏康「よし!敵を夜陰に紛れて襲う!夜襲をかけるのじゃ!!」
清水「夜襲とは!敵は驚きますね。」
氏康「それが状況を変え、我が軍に勝ちをもたらす方法じゃ!行くぞ!」
我が北条軍は小沢城を出て夜営をしていた扇谷上杉家の軍に襲いきりました。
驚いたのは扇谷上杉家の軍。
朝興「うわっ!なんだ、なんだ⁈ 」
扇谷上杉家の軍は総崩れとなり慌てて逃げていきました。
氏康「やった!!勝った!勝ったぞ!勝ったぞ!!」
わしは嬉しくて喜びを声に出して坂を駆け上がっていました。
氏康「やったぞ。綱成の伝言が勝つきっかけとなった。礼を言うぞ!綱成!」
この時の夜襲戦法は後にも北条氏に勝利をもたらすことになるのです…。
つづく…



