私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(早雲は最初は伊勢新九郎盛時(いせしんくろうもりとき)と名乗っています。)
盛時は駿河国に入りました。迎えたのは盛時の忍び、新次郎(しんじろう)です。
盛時「新次郎、ご苦労。小鹿範満(おしかのりみつ)側の様子はどうだ?」
新次郎「扇谷上杉家(おうぎがやつうえすぎけ)との連絡が頻繁になっております。人の行き来が増えてます。」
盛時「事は急を要しているな。龍王丸(たつおうまる)の元へ急ごう!」
盛時と新次郎は龍王丸や桃のいる小川の館に向かいました。
小川の館には成長した龍王丸がいました。
龍王丸「叔父上、お久しぶりです。龍王丸です。」
盛時「おぉ、龍王丸!見違えるように大きくなったぞ。」
桃「兄上、龍王丸はもう14歳になりました。なのに範満殿は家督代行のままで返してくれません。」
盛時「範満は不穏な動きをしておる。こちらが先手を取って動こう。」
龍王丸「範満を討つのですね。」
盛時「うむ。しかし、この小川で兵を集めていては範満側に悟られる。」
龍王丸「叔父上、石脇城に入ってください。石脇なら集めやすいでしょう。」
盛時「よし!石脇城で密かに兵を集めよう。そして一気に決着をつけてやる。」
盛時は新次郎に兵を募るように命じ、自らは石脇城に入りました。
しばらくして石脇城には龍王丸を後継につけようとする同志が集まってきました。
集まってきた兵の中に見覚えのある顔があることに盛時は気づきました。
盛時「そなたは⁈ 荒川又次郎(あらかわまたじろう)殿ではないか?」
又次郎「覚えていてくれましたか。いかにも、又次郎です。盛時、此度は助っ人致す。」
盛時「これはかたじけない。」
又次郎「暴れまするぞ〜!」
盛時は集まった兵を見て、
「これで形になったぞ」
と思い、武者震いをしました。
兵を整列させ、盛時は決意を語ります。
盛時「今より小鹿範満を討つ!小鹿は幕府が定めた今川氏の後継・龍王丸殿に逆らい、家督を返さぬもの。これは幕府への反逆行為である。一気に小鹿を討ち、駿河国を平穏に致す。よいか!」
兵達「おおおぉぉ〜!」
盛時は兵を率い範満のいる今川館に向かいました…。
つづく…
