私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(早雲は最初は伊勢新九郎盛時(いせしんくろうもりとき)と名乗っています。)
盛時は駿河国へ行く途中、伊勢神宮にお参りに寄り、そこで大道寺重時(だいどうじしげとき)殿に会いました。
そこで重時殿に誘われ、重時殿が言う同じ思いを持つものたちと酒を飲むことになりました。
その場に待っていたのは5人。その中の1人を盛時は見たことがありました。
盛時「そなたは…山中才四郎(やまなかさいしろう)殿。」
才四郎「おぉ、伊勢盛時殿でしたな。これは嬉しい。さぁ、飲みましょう!」
盛時は他の4人とも挨拶を交わしました。
その4人は、多目権兵衛(ためごへえ)殿、荒木兵庫頭(あらきひょうごのかみ)殿、荒川又次郎(あらかわまたじろう)殿、在竹兵衛尉(ありたけひょうえのじょう)殿でした。
重時「皆、京に嫌気がさし、自らの国を探すものにごさる。」
盛時「なるほど、思いは同じですな。わしは自らの国を作りたいと思っております。」
才四郎「国を作る?」
盛時「えぇ、才四郎殿が山城国で申された民と力を合わせた国です。わしは民を指導し、民を守る、そんな国を作りたい。」
権兵衛「確かに戦乱が続き民は苦しんでおる。」
兵庫頭「民を守るのは、武士の役目。しかし、今は武士が民を苦しめておる。盛時殿の申すこと、同心致す。」
皆、盛時の意見に賛同したのです。
場は盛り上がり、盛時は久々に美味しい酒を飲んだのでした。
次の日、盛時以下、皆、伊勢神宮から出発しようと集まりました。
又次郎「盛時殿はどちらへ行かれる?」
盛時「わしは駿河国。今川氏の争いを治めに行きます…おぉ、そうだ。皆、同じ思い。この中の誰かで1番最初に自らの国を持ったら、他のものはその家臣になるのはどうだ⁈ 」
兵衛尉「それは面白い!やろう!」
皆、盛時の申し出に誓い合ったのです。
こうして盛時は他の6人と別れ駿河国を目指しました。
駿河国に入り盛時を迎えたのは盛時の忍び、新次郎(しんじろう)でした…。
つづく…
