私、足利義満の娘・智子です。
兄・義持、義教の仇、赤松満祐を討ち、私は京の外れの住まいに戻ってきました。
私「一休様…ずっとここで待っていたのですか?」
一休「あぁ、必ず帰ってくると信じておった。しかし、智子殿、病が…。」
私は病の身で戦に行ったため、よけいに病が悪化したのです。
この「嘉吉の乱」により、山名持豊殿は播磨一国を支配し播磨国の守護となりました。
他にも山名一族には備前国、美作国の守護を与えられました。
これで、かつて義満の時代に起きた「明徳の乱」で低下した山名氏の勢力が拡大したのです。
私を見舞いに管領の細川持之殿がやってきました。
この時、持之殿は自らの御子を連れてきていました。
持之「智子様、我が嫡男の聡明丸です。」
聡明丸「初めてお目にかかります。細川持之が嫡男、聡明丸にございます。」
私「あぁ、立派な後継ぎですね。持之殿。」
持之「此度の乱の鎮圧、智子様のご尽力にございます。本当に感謝しております。」
私「これで私のやる事はありません。持之殿、聡明丸殿。幕府を、足利将軍家を頼みますよ。」
持之殿は翌年の1442年、管領を辞し亡くなります。
その後継ぎの聡明丸が後の細川勝元殿。
私が幕府を託した山名持豊殿と細川勝元殿が後に幕府を二分して戦うことになろうとは思いもよらぬことでした。
持之殿が来てから2日後、私の病状は悪化しました。
いよいよ私も最期の時を迎えたのです。
間者の小百合と一休様が私の手を握りしめてくれました。
私「小百合…ずっと私を守ってくれて感謝してます。本当にありがとう。」
小百合「何を言われます。義満様の命とはいえ、私は智子様にお仕えできて幸せでした。私の方こそ感謝の気持ちでいっぱいです。」
私「一休様、私は今でもお慕いしております。」
一休「智子殿のおかげで私は助けてられましたよ。私も智子殿をお慕いしています。」
私「ありがとうございます。私は今、幸せです。私の大切な2人に手を握ってもらえて……。」
私の目はもう見えていませんでしたが、小百合と一休様の手の温もりだけは感じていました。
私の一生は足利将軍家に尽くしたものでした。死を前にして懐かしい人々が浮かんできます。
母・藤原慶子、養母・日野業子様、4代将軍の兄・義持、6代将軍の兄・義教、将軍の側近・満済殿、関東管領・上杉憲実殿……そして、
偉大なる父・足利義満
「智子、よく足利将軍家に尽くしてくれた。もうよいから、こちらへ来るのだ。」
私には父の声が聞こえた気がしました…。
一休「……智子殿、逝ってしまわれたか…。」
小百合「智子様!!」
今回で私が話す「俺らは義満の子」は終わりです。
長い期間の連載を読んで頂き誠にありがとうございます。
2人の兄、義持、義教の時代を語りましたがいかがだったでしょうか?
次回作もよろしくお願い致します。
語りは足利義満の娘・智子でした。
完


