私、足利義満の娘・智子です。
世阿弥殿の「元は南朝方」の発言に私は驚きました。
世阿弥「私の父・観阿弥の母は…楠木正成様の妹なのです。」
私「なんと⁉︎ 世阿弥殿は義満様のごひいきと聞いております。義満様はそれをご存知だったのでしょうか?」
私は驚きましたが、私の正体を知らない世阿弥殿に悟られぬように父を義満様と呼びました。
世阿弥「義満様は知っておりました。その上で私に”南北朝はひとつとなった。元が南朝だとて、もはや関係ない。わしはそなたの猿楽を見たいのだ。”と言われました。」
私「義満様は猿楽に北も南もないと…。」
世阿弥「しかし、義持様、義教様は私を元南朝方と危惧し遠ざけたのでしょう。私も我が子・元雅も、南朝とは縁を遠に切っております。」
世阿弥「元雅は京では興行が出来ない。それで伊勢に行ったのですが…南朝方は私らを裏切り者と見ていたのです。」
私「それで元雅殿を殺したというわけですか…。」
世阿弥殿は話ながらも、我が子の死に涙を流しています。
世阿弥「尼殿、よく報せて頂き誠にありがとうございます。…私を1人にしてくだされ。」
私は世阿弥殿の元を去りました。とても複雑な思いと、父・義満の大きさを再び感じています。
私は兄・義教の居館に向かいましたが途中嫌な噂を聞きました。
比叡山延暦寺の僧らが強訴を行なうとの噂です。
私には何の目的の強訴なのか、わかりませんでした。
義教は元は天台座主まで勤めた僧、義教は延暦寺の僧らの話を聞き入れるのではと思いました。
しかし、それは全くの見当違いでした…。
つづく…


