私、足利義満の娘・智子です。
神社の中の居間で観世元雅殿が伏せっていました。
それを元雅殿の一座の方々が囲んでいました。私はそっと声をかけました。
私「あの…何かありましたか?」
一座の方「…元雅殿が亡くなっているのです。」
私「!?」
亡くなっている⁉︎ 突然死?
私は驚き、元雅殿の顔を覗き込むと苦しんだ表情で亡くなっていました。
毒殺!
私はとっさにそう思いました。
一座の方「京の世阿弥殿にお伝えしなければ⁉︎ 」
私「あの…その役目、私にお任せくださりませぬか?」
一座の方「あなたは?」
私「私は旅の僧、京に向かってる途中なのです。」
一座の方々は話し合い私に世阿弥殿に元雅殿の死を伝えることを任せてくれ世阿弥殿の居場所を教えてくれました。
私は急ぎ京の外れにいる世阿弥殿の元へ向かいました。
一体誰が元雅殿を殺したのか?まさか…兄・義教が?そんな思いが頭を巡ります。
京の外れに着き世阿弥殿に会い、事の次第を伝えました。
世阿弥殿は一瞬言葉を失い、うなだれました。
私「心中お察し申し上げます…。」
世阿弥「…尼殿、わざわざお伝え頂き申し訳ない。あの…元雅はどのような様子でしたか?」
私「……私が見る限り、元雅殿は毒殺されたのではありませぬか?」
世阿弥「毒殺⁉︎ 」
私「亡くなられた表情からそう感じました。」
世阿弥殿は驚き、しばらく考えた様子でした。
そして、
世阿弥「見も知らぬ尼殿に話すのも変ですが聞いてくださりますか?」
私「私でよければ…。」
世阿弥「お察しのとおり、元雅は殺されたのです。」
私「どなたに?」
世阿弥「南朝方の残党でしょう。」
南朝といえば残党が伊勢国に潜んでいると私は聞いたことがあるのです。
私「なぜ世阿弥殿の御子が南朝方に殺されなければならぬのですか?」
世阿弥「それは……私が元は南朝方だったからです。」
世阿弥殿が南朝方だった!私は衝撃を受けました…。
つづく…
