私、足利義満の娘・智子です。
兄・義持は自らの命があと僅かと悟り、後継者選びを私の提案でくじ引きで決めることに了承しました。
しかし、義持の本心は同母弟の義円を後継者に望んでいました。
私は今一度、義持に確認しました。なぜなら義円に対して私はいい印象がなかったからです。
私「兄上、お身体は…。」
義持「今は少し楽だ。」
私「兄上…本当に義円兄でよろしいのですか?私は義円兄には恐い印象があるのです。」
義持「…あやつは短気で強引なところもある。しかし、それが守護大名らに対してはいいのかもしれん。わしにはできなかったことをやれるかもしれんのだ。」
義持「智子、そなたに言い残すことがある。」
私「兄上…遺言ですか?」
義持「うむ。義円が将軍になっても、わし同様に影となって支えてやってくれ。ただ、義円が行き過ぎた場合は……殺してもかまわん。」
私「!!」
私には驚愕でした。
私「兄上……兄上は今、生きています。その遺言は私の心に閉まっておきます。」
義持「智子…そなたが男なら、そなたに後を継がしただろうな。…ありがとう、智子。」
私は義持の手を握りしめました。
私にとって義持はとても頼りなる優しい兄なのです。その兄を亡くすなんて…。
後継者選びのくじ引きは満済殿が作りました。むろん細工をして、どれを引いても義円に当たるように。
そして、くじ引きは石清水八幡宮で行われました。
私はその間もずっと義持の側にいました。
私は義持の快復を祈りましたが…祈りは通じませんでした。
1428年2月3日…義持は逝ってしまいました…。
ここで「俺らは義満の子」の「第一部 義持編」が終了です。次回からは第二部となります。
第二部へ、つづく…

