私、足利義満の娘・智子です。
1425年3月、将軍・義量殿死去の報せを受け、私は兄・義持の居館へ急ぎ向かいます。
義持の居館・三条坊門邸は静まり返っていました。
義持は1人で庭にいました。
私「兄上…。」
義持「智子、戻ってきてくれたか…。義量が…死んでしまった。」
私「……兄上!」
義持は私の腕で泣きました。初めて見る兄の涙でした。
義持は泣き疲れたのか眠ってしまいました。
その間、私は義持の側近・満済殿にお会いしました。
私「満済殿…義量殿の死は…」
満済「将軍就任する前からの病が就任後、さらに悪くなって、治療や祈祷も行なったのですが…その甲斐なく…。」
私「やはりお酒の害が原因ですか?」
満済「はっきりとは言えませぬが、それも原因の1つでしょう。」
私「唯一の嫡男だったのに…。」
満済「しかし、義持様はまだお若い。男子誕生の望みはあります。」
私は義持の泣くほどの落ち込みようが気になっていました。
翌日、私は義持に呼ばれました。
義持「昨日はみっともないところを見せたようで申し訳なかった。」
私「何を言われます。我らは兄妹ではありませぬか。」
義持「そうだな。義量は将軍になっても守護大名らに意見され、将軍らしいことは何もできなかった。」
私「それでお酒に逃げたと?」
義持「うむ。見張らしてはいたが、隠れて飲んでいたようだった。守護大名らの調停は義量には無理であったのだ。わしの責任だ。」
私「兄上、あまりご自分をお責めにならないように。」
義持「この先のことだが……しばらくは将軍は空位のままにしておく。」
将軍の座が空位、義持はどうするつもりなのでしょう…。
つづく…
