私、足利義満の娘・智子です。
醍醐寺の庭で兄・義持の嫡男、義量殿に会った後、
「これ!」と声を掛けれました。
振り向くと満済殿がいました。
満済「そなたは?…何をしている?」
私「私は…旅の僧です。」
私は驚き、しどろもどろな状態でいると義持が現れました。
義持「満済、そのものはわしの使いの者だ。」
満済「……あなた様は御所様のお妹の智子様ですね。」
私「‼︎ 」
義持「! ……知っておったのか⁈ 」
満済「私は義満様の猶子、恐れながら義満様の子は我が兄弟のようなもの。顔を忘れは致しませぬ。」
義持「さすがは満済だな。」
満済「以前より御所様の影として動いていたのですね。」
満済殿は私の事情を感じ取っていたようです。
満済「智子様、私も及ばずながらお力になりますぞ。」
私「満済殿…察して頂き、ありがとうございます。」
私は「黒衣の宰相」と呼ばれる満済殿の後ろ盾を得ました。
義持「満済、智子はわしを影から補佐してくれるもの。満済も頼むぞ。」
満済「はい。」
義持「智子、義量はいかがであった?」
私「お酒を簡単には止めるとは思えませぬ。周りからお酒を消さねば…。」
義持「うむ~、満済!義量の近臣に酒を勧めないよう命じよ。」
満済「かしこまりました。起請文も取りましょう。」
義持「あと、鎌倉とのこともケリをつけねばならん。満済、大名らの意見をまとめてくれ。」
満済「はい。では早速に大名を招集致します。」
満済殿は庭より出ていました。
義持は大きくひと息をつき、
義持「智子、わしは将軍職を義量に譲ろうと思う。」
私「義量殿に!まだ早いのではありませぬか?」
義持「わしは父上より将軍職を譲られたのは9歳の時だ。早くはないぞ。義量に将軍職を譲っても、わしが後ろ盾として動いていくのだ。父上がわしにしたようにな。」
父・義満は将軍職を義持に譲って自由な立場となっても実権を握っていました。
義持も同じように自由な立場になろうとしたのです。
1423年4月、正式に義持は将軍職を義量殿に譲りました。
室町幕府第5代将軍の誕生です…。
つづく…
