私、足利義満の娘・智子です。
1416年、関東で起こった鎌倉公方・足利持氏殿に対する上杉禅秀殿の反乱は一方で思わぬ展開にしました。
私や兄・義持の異母兄弟の義嗣が上杉禅秀殿と通じていると間者の小百合からの報せが入りました。
私「小百合、それは間違いありませんか?」
小百合「間違いありません。義嗣様のお妾は禅秀様の娘。以前からの縁で通じていたのです。」
私「義嗣殿が関東と結ぶとは…。」
小百合「それだけではありません。先に南朝再興をしようと反乱した北畠氏とも結ぼうとしていました。これは実現しませんでしたが…。」
私「う~ん、父の言うとおりのことが起き出しましたね。」
小百合「義嗣様を担ぐものが出てくるということですね。いかがなさりますか?」
私「小百合は兄上にこのことを伝えてください。私は義嗣殿の様子を見てきます。」
私は義嗣の居館に来ました。そして尼僧として寄進のお願いと称して居館に入りました。
義嗣に上手く会えましたが、義嗣は私の正体には気づいていないようです。
義嗣「申し訳ないが私には寄進できるものはない。」
私「足利義嗣様が寄進できないとは…いかがされたのですか?」
義嗣「私は父・義満がなくなって以来、将軍である義持に冷たくされてな…所領が少なく加増を求めたのに取り合ってもくれぬ。」
私「将軍とは仲が悪いのですか?」
義嗣「異母兄だが父から可愛がられた私に嫉妬しているのだろう。今はいろいろと要り用でな、寄進はできぬが…半年後にまた来てくれ。」
私「半年後?その頃には寄進できるのでございますか?」
義嗣「まあな、所領が多くなるから。さぁ、今日は帰ってくれ。」
明らかに義嗣は義持に対する反乱の意志を持っているようです。
私は義嗣の居館から追い出された後、義持の元に向かいました。
しかし、義嗣の行動は予想以上に早かったのです…。
つづく…
