私、足利義満の娘・智子です。
父の死後、起こるべくして起こったのが「足利家の家督を誰が継ぐか」です。
父の意向を知るのは私と兄・義持、間者の小百合の3人だけでした。
幕府では親王様と同様の元服をした異母兄の義嗣を上げる声もありました。
ここで有力守護大名で管領の斯波義教殿の父の斯波義将殿が、
「将軍職を継いでいる義持様が家督を継ぐのが筋だ。」
と主張したのです。
この主張がとおり、足利家の家督は義持が継ぎました。
しかし、私は斯波義将殿に不穏なものを感じました。
私は間者の小百合の調べたところを義持に伝えました。
私「兄上、義将殿は兄上と父上が不仲であったと見ているようです。」
義持「うむ。義将だけではなく他の大名もそう見てるだろうな。」
私「兄上が父上を否定すれば、大名たちは己の権力を伸ばせると思っているのですね?」
義持「そうだろうな。しかし、そうはさせぬ。否定はしても将軍家の権力は失わぬ。家督はわしが継いだが、もう1つ問題があるのだ。」
私「もう1つとは?」
義持「朝廷より父上に太上天皇の尊号を与えると言ってきたのだ。」
私「なんと!」
義持「義将が受けることを強く反対しておるが、言われなくても、わしは受けぬつもりだ。父上の意思だからな。」
私「…しかし義嗣兄上のことが気掛かりです。父上の申したとおり担ぐものがいるようですね。」
義持「智子、義嗣の周囲をよく調べておいてくれ。誰が義嗣についているか見極めねればならん。」
朝廷からの「太上天皇」の尊号は幕府としては辞退しました。
私は義嗣殿を調べるよう小百合を動かしました…。
つづく…
