私、足利義満の娘・智子です。
1408年4月末、病に倒れたと報せが入り私と兄・義持は北山第で父に会いました。
父「わしは毒を盛られたようだ…誰かに殺されるらしい。」
義持「一体誰か…⁈」
父「はっきりとはわからぬ…義持と智子に言っておくことがある。」
父は既に死を悟っていたのです。
父「妻の康子を帝の准母にしたり、義嗣を宮中で元服させたのは…ぶれない朝廷を作りたかったのだ。南北朝の世には戻してはならん。」
義持「父上は上皇様の地位に就こうとしたのでは…?」
父「そのように噂するものもおるが…わしにはそのつもりはない。しかし、その噂がわしが殺される原因かもな…」
世間では父が上皇様、天皇様の地位を乗っ取るのではと噂があったのです。
父「義持…わしに毒を盛ったものを探すな、そしてこれ以上、朝廷には触れるな。」
義持「⁉︎ なんと!」
父「幕府の安定を維持するのだ。わしの政策を否定するのだ。それが足利将軍家のためだ。」
義持「…わかりました。父上の意思を守ります。」
父「智子、そなたは影より義持を支えよ。そのために僧にしたのだ。」
私「私が⁈ 果たしてそのようなことが私にできるのでしょうか?」
父「智子には配下のものを付ける。…入れ。」
そこへ1人の女が入ってきました。間者のようです。
父「小百合だ。わしに仕えた間者でわしの叔父の直冬殿の娘だ。」
父「わしの祖母・登子様には茜という生涯仕えた間者がいたのだ。智子は義持を、足利将軍家を守ってほしい。」
私「父上、わかりました。智子、誠心誠意、将軍家を守ります。」
父はここまで言うと大きくひと息つき、さらに言葉を続けます。
父「義持…これが最後に伝えることだ。」
義持「…はい」
父「……わしが死んだ後、義嗣を殺せ。」
つづく…
