私、足利尊氏の妻・登子です。
1353年、鎌倉を鎮圧し安定させた夫が京へ帰ってきます。
しかし、この頃の京はまた南朝方に攻められ占領されてしまいました。
京を逃れていた義詮は夫に救援を求めます。
南朝方は楠木正儀殿と山名時氏殿らの軍勢でしたが、この山名時氏殿にはほとほと、手を焼きました。
時氏殿は遡れば高師直が直義殿に対し政変を起こした時は師直側、直義殿が師直を滅ぼし北陸に行った時は直義殿側、直義殿がいなくなると義詮側に付くという安心ならない武将でした。
今回は佐々木道誉様と対立し南朝方に付いていました。
しかし、夫が戻ってきた足利軍は攻勢をかけ南朝方を京から追い払い奪還しました。
私は久しぶりに夫に会いましたが、夫の容態は以前より良くありませんでした。
私「殿、体調が優れないように見えますが…。」
夫「うむ…背中に腫れ物ができておる。」
夫の背中には赤い腫れ物がありました。
私「これは…。」
夫「戦続きで人を殺し過ぎた罰かもしれんな。」
私「殿!殿は良い世を作るために戦っているのに…。」
夫「まぁ、よい。しかし世はまだ治まっておらん。戦わねばの。」
私は2人の息子、義詮、東国にいる基氏に夫の容態を伝え、そして夫に代わり良い世を作ることを懇願しました。
この1353年も秋になり思いもよらぬことが夫や私を襲います。
娘の頼子が病に罹ってしまいました…。
つづく…
