私、足利尊氏の妻・登子です。
高師直は夫を補佐し、よく働いてくれました。
夫が征夷大将軍になると執事として絶大な権勢を振るいます。
しかし、師直の言動や行動は夫を困らせました。
師直は天皇様の権威を重んじていないようで、
「天皇や上皇など必要なら金や木彫りで作って、生きてるのは流せ」
などと発言したり、神仏を恐れない人物でした。
また、佐々木道誉様と同じ一族の塩冶高貞様の妻に横恋慕しました。
そこで吉田兼好様に恋文を書かせ送ります。
しかし、高貞様の妻は拒絶します。師直は激怒し、力づくで手に入れようと高貞様に謀反の罪を着せ、高貞様の一族は討伐されました。
師直の目的だった高貞様の妻も自害します。
これには夫は激怒し、師直を厳しく叱りつけました。
さて南朝方では巻き返しの機会を狙っていました。
亡き後醍醐天皇様は地方に自らの皇子を派遣していました。
そのうちの1つ、九州に派遣した懷良親王様が四国を経て、1341年、九州の薩摩に上陸しました。
この懷良親王様が後に足利にとって脅威になってきます。
そして、もう1人、ある武将が動き出しました。
その武将は亡き楠木正成様の子、楠木正行殿でした。
つづく…
