私、足利尊氏の妻・登子です。
1340年、私と夫との間に新たに男子が誕生しました。
千寿王が生まれてから10年、戦、戦続きでしたが、待ちに待った2人目です。
幼名を光王といいます。
その後、鎌倉にいる千寿王が元服し、義詮と名乗りました。
光王が生まれ、元服した義詮。私には幸せなひと時でした。
しかし、全てが変わることが起き始めます。
ある日、私が館の庭にいると、少年いや青年が入ってきました。
「御台様、お久しぶりです。私のことを覚えていますか?又若です。」
私「又若⁉︎確か茜の妹の子でしたね。」
そこへ茜が入ってきます。
茜「御台様、申し訳ございません。又若、御台様に失礼ですよ。さあ行きましょう。」
又若「叔母上、私は御台様にお願いがあるのです。」
私「茜、よいのですよ。又若、鎌倉でお寺に入っていたのではないですか?」
又若「私には寺での生活は合いません。それで京に来ました。武士になりたいのです。」
私「武士にですか。ところで私に願いとは?」
又若「はい。足利尊氏様にお会いしたいのです。」
私「殿に?それはなぜですか?」
その時、茜は又若がそれ以上言うのを止めようとしていましたが、
又若「…足利尊氏様は私の父上ではないか、確かめたいのです。」
私「‼︎ 殿が又若の父上⁈」
又若「はい。私の母が亡くなる時、父親は足利の殿という言葉を残しました。足利の殿といえば尊氏様。叔母上に頼んでも尊氏様に会わせてくれないので非礼とは思いますが御台様にお願いしようと参上しました。」
この時に私には言い様のない衝撃に襲われた感じでした。
私は又若に「考えておきます。」とだけ返事をし今日のところは帰ってもらいました。
又若の話が事実だとすれば夫の隠し子ということになります。
私は怒りを抑え、夫の元へ向かいます。茜も連れて…
つづく…
