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二輪バカ一代 ~ マウンテンバイカーは電気自転車の夢を見るか

自転車大好き。ツーリング大好き。レース大好きなダメ人間のブログ。E-bikeに特化した内容で再開です

 今回は航続距離に的を絞って情報をシェアしたいと思います。

 

 具体的な数字を挙げる前に、まずは「E-bikeにまつわるよくある誤解」をひとつ。試乗会などでE-bikeに乗れる機会も増えてきましたが、短時間の試乗だと多くの人がついついモーターのアシストレベルを上げ、そのパワーに酔いしれてしまうのではないでしょうか? (その挙句、「こんなのはオートバイだ」なんて言われたり・・・ショック)。

 

(私がよく行く里山はこれくらいの標高です)

 

 でも、実際にオーナーになってあちこちに出かけるようになると、ハイパワーモードの出番は意外となく、10%以上の激坂や起伏の激しいトレイルでさえスタンダードモードでほとんど事足りることがわかります。そのため、モーターはスピードを出すではなく、疲労を軽減するために利用するという形に自然と落ち着いてくるのではないでしょうか? まあ、乗り物にひたすらスピードを求める人もいますが、日本仕様のE-bikeはスピードに応じてアシスト比率が徐々に下がっていき、24㎞/hで完全にカットされるので、ハイスピードを追求するのは無意味じゃないでしょうか?

 

(楽に上って下りや林間の散策を楽しむのがE-bikeの基本的な楽しみ方でしょう)

 

 というわけで、今回お見せするデータは、バッテリーとモーターをイジメまくった「最も過酷な状況での航続距離」ではなく、私なりに「普通の使い方」をした場合のモデルケースでしかないことをご承知おきください。

 

モデルケース1: 地元の里山

 我が家から10㎞ほど舗装路を走ってホームコースのトレイルへ行き、押し上げなしで気持ちよくアップダウンを走れる里山を軽く走って帰宅した場合です。

 

走行距離37.6㎞
平均速度17.1㎞
最高速度44.3㎞

消費カロリー1022kcal
バッテリー残量78%

 

 アシストモードの使用割合は、走行時間を基準にするとハイパワー20%、スタンダード40%、エコ40%(行き帰りの舗装路)、走行距離を基準にするとハイパワー5%、スタンダード35%、エコ65%といった感じです*。走行時間は休憩を含めて3時間程度。心拍数は140~160bpmでした(私の最大心拍数は190程度)。いかがでしょう? 予想より少ないバッテリー消費(と高い心拍数)ではないでしょうか? 体重や気温でもバッテリー消費は変化するはずですが、少なくとも里山ライドに関しては、一日中走っていてもバッテリーの持ちは特に心配しなくて大丈夫と言えるのではないかと思います。(むしろ空腹対策の方が問題かもあせる

 

(余談ながら、こういう場面ではペダルをクルクル回せるE-bikeの方がタイヤを空転させづらく、路面に対して優しかったりします)

 

 舗装路中心のツーリングだと、航続距離と時間はさらに向上するのですが、長文になりすぎてきましたので、そちらのデータはコース走行をした場合のデータと併せて次回に・・・

 

(こういうシチュエーションを繰り返すと、現状のバッテリー性能ではちょっと厳しいかも・・・)

 

*厳密に測ったわけではなく、あくまでも感覚的な割合です。また、ヤマハのモードは5段階あるのですが、ExtraとHighモードを「ハイパワー」、STDを「スタンダード」、Ecoと+Ecoを「エコ」と表現しています。


 

 仕事が~、体調が~って言い訳したいことは数あれど、早くも更新が遅れてゴメンナサイ。

 

 さて、ヤマハYPJ-XC(この名前いまだに覚えられず、カタログを取り直して再確認)はいいバイクだけど、根本的にダメなところもあるって話です。

 

 問題点はズバリ2つ!

 

 1つ、デザインがあまりにもダサイ(笑)。オートバイの世界ではデザインの良さで知られているヤマハが、何でこんなデザインにしちゃったかなあ~? たしかにこれだけスローピングというか、トップチューブをグネらせればスタンドオーバーハイトは下げられるけど、子供用や女性用バイクじゃないんだから・・・実用面でも、ボトルケージをつけられないからツーリングでけっこう困ります。(フレームバッグも・・・と言いたいけれど、これについては容量は少ないけどピッタリサイズのものが見つかりました。)

 

(バッテリーも内装式にできなかったものかなあ)

 

 シートステーがGTのトリプルトライアングルみたいにシートチューブをまたいでトップチューブに溶接されているのは、おそらく性能面ではメリットがあるんだろうけど、これも全体のフォルムをベチャッとした感じにしてしまっている原因のひとつかな? このデザインだけでも敬遠する人が多いと思うので、本当にもったいないえー?

 

 だけど、「美人は3日で見飽きるが、〇〇は3日で見慣れる」と申しますし、「蓼食う虫も好き好き」とも言いますので、デザインにはまあ目をつむりましょう。それより問題なのは、Boost規格に対応していないこととヤマハ専用(?)のスピードセンサーです。

 

 Boost規格に対応していないことは、単純に剛性面で不利なだけでなく、社外品のホイールを使えない(E-bike対応品は基本的にどれもBoost)ことを意味しますので、ホイールは必然的に手組になってしまいます。まあ、MTBのホイールは手組でOKなんですが、ここにスピードセンサーが絡んでくると、話がややこしくなります。

 

(通常のマグネットをつけた社外品ホイールを流用したらエラーが発生。どうやらこの専用マグネットできめ細かくスピードの変化を測定し、クランク側のケイデンスセンサーやトルクセンサーと合わせてアシストを決定しているようです)

 

 他社のE-bikeがどうなっているのかよくわからないのですが、ヤマハのセンサーはスポークにマグネットを取り付けるタイプではなく、ホイールのハブ軸に専用のマグネットを取り付ける方式になっています。そのため、普通のMTBのホイールを流用することはできず、ハブ軸の形状も通常と少し異なる(自転車屋さん談)ため、手組するにしても好きなハブを使うことができません。もしかしたら大手サードパーティーのE-bike対応ホイールはこのあたりのことが対策されているのかもしれませんが、ここで先ほど述べた「社外品はBoost規格ばかりだがヤマハはBoostではない」という問題が立ちはだかってくるのです。

 

ノーマルホイールはチューブレス対応でないため、どうしてもチューブレス化したい私は結局、リム(とスポーク)のみ社外品を使用し、ハブは純正を流用してホイールを組みなおす、という方法に落ち着きました。不満もありますが、まあ仕方ないです。チューブレス化は、それくらいヤマハにとって必須だと思っているので。その理由は、ホイールの組み換えが完了したときに書きたいと思いますが、次回はとりあえずバッテリーの航続距離の話でも・・・

 さてさて、ヤマハYPJ-XCの何がいいかという話ですが、それはズバリ、ハンドリングとモーターです!

 

(去年の12月、オフロードヴィレッジで開催されたレースに参加したときの1コマ)

 

 まあ、ハンドリングについては、私ごときが云々するのはおこがましいにも程があるのですが、少なくとも私レベルの走りであれば、里山からMTB用パーク、はてはモトクロスコースまで、どこを走っても「乗りづらい」とか「怖い」と感じたことはこれまでに一度もありません。それどころか、最初はモーターの重さが気になることもあったのですが、慣れれば慣れるほど「まだ行ける。まだまだ行ける!」という感じになってきて、コーナーリングが実に楽しい!

 

(無理の効く車体なので、ブレーキングで前走者のインを差し、クルっと曲がることもできます)
 

 たしかに通常のMTBとジオメトリーを比較するとチェーンステーがかなり長いのですが、実際に乗ると拍子抜けするくらい普通に曲がります。ノーマルのホイールとタイヤはグレードがあまり高くないので(チューブレスにできないし)、荒れたコーナーでは若干跳ねることもありますが、気になるのはそれくらいです。考えてみればヤマハはもう半世紀以上も二輪車(オートバイ)を作り続けているのですから、どういう設計にすればクセのないハンドリングを実現できるのか、下手な自転車メーカーでは太刀打ちのできないノウハウを習得しているんでしょうね。29erのXCバイクに乗り慣れた身としては、当初はトップチューブが短すぎるように感じられたのですが、それすらも確信犯的設計ではないかと思えるほどです・・・(初心者向きにコンパクトな設計にしただけ、というのが事の真相なんでしょうが)

 

(最短距離を走るよりスピードとケイデンスを維持する方がバッテリー消費が少ないと考えて選んだE-bikeならではのライン)

 

 もう1つのポイントであるモーターですが、ヤマハの良いところはパワーそのものよりパワーの出方だと感じています。シマノやボッシュのモーターとじっくり乗り比べたわけではないので、断定的に書くのは少々憚られますが、ヤマハは踏んでからアシストが効くまでのラグが少なく、なおかつジワっとトルクが発揮される感じがあります。アシストモードは5段階ありますが、どのモードでもこの特性は維持されます。そしてコーナーリングの良さとモーターのこの特性が組み合わさるとまさに無敵。普通のMTBでは味わえい、ヒラっと曲がってヒューッと加速する感覚は病みつきになりますよ!

 

もちろん、すべてにおいて完璧な物などこの世にはありません。次回はこのバイクのガッカリポイントを書きたいと思います・・・