それまで一人暮らしをしていた母が、昨年の2月、体調が悪化し、
とうとう施設に入所することになりました。
仲の悪い弟と力を併せ、ようやく4月に良い施設を見つけて入所できたのですが、
12月になると病状が悪化して危篤状態になりました。
私が最後に母と会ったのは死の前日、或いは当日だったかも知れません。
なぜなら私たち夫婦が母の見舞いをした翌日、令和4年12月24日の早朝に施設の職員が死亡している母を発見したのですから。
昏睡状態の母に私は話しかけました。
「苦しくないかい」 「どこか痛くはないかい」
母は首を微かに横に振ったのです。眼も口もほとんど動かない母でしたが、耳は聴こえているようでした。
私は母に尋ねました。「俺は親不孝だったかい」
母はしっかりと首を横に振ってくれたのです。
「俺を生み育ててくれてありがとう」
私は生涯で初めて母にお礼を言ったのです。
「おかあちゃんありがとう」
