名前を聞いて「なんじゃそれ?」って思う人も多いかもしれません。

LEICAのアクセサリーなのですが、
あまり知名度もなく特殊用途に思われがちな機材です。

正直、30年くらい前に本で初めてこの機材を見た時には、
エッチングで描かれた中世の拷問器具を見るような、
なにか見てはいけないものを見てしまったような、
いにしえの昔の奇妙奇天烈な代物に思えました。

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まさかそんな骨董品のような機械を
自分で買うとは思っても見ませんでしたが、
不人気ゆえに安かったのか、つい落札してしまいました。

ようはレンジファインダーのライカに、
ミラーボックスとプリズムを合体させて、
むりやり一眼レフにするアクセサリーです。

I型、II型、III型とあって、
最初のI型が登場するのは50年代だったと思いますので、
日本製一眼レフの時代になる以前からあったんですね。

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マウントの奥にミラーが見えます。

接写撮影や望遠レンズを使うにはレンジファインダー機では限界がある。
そこで当時のライカが出した答えがVISOFLEXでした。

そんなものですから、
一眼レフが普及した現在(すでに40年くらい前から)では、
なにもわざわざそんなアクセサリーをつけなくても、
一眼レフを使えば良いんですよ。

と言いながら買ってしまうところが
カメラオタクの本領発揮というところでしょうか(笑)

まあ、そんな大昔のアクセサリーが、
現代のM9にも付いてしまうところがすごいですね。

(一応念のため記載しておきますが、M9やM8には、
III型の「ファインダーが四角で下部の段差がないタイプ」でないと付きませんので要注意。)


しかしビゾだけならけっこう安く手に入りますが、
レンズがなければ写りません。

Mマウントレンズなら付く事は付きますが、
超接写専用レンズになってしまうので、
やはりビゾ用のレンズも欲しくなります。

立て続けに落札しちゃいました。
ビゾ入門には定番のレンズでしょうか。ELMAR 65mm F3.5
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なんだかバラバラじゃねえかよ。と。

これもカメオタをうならせる構造で、
手前右側がレンズ本体。左側がピントのヘリコイド部分。
この二つを合体させると∞~最短33cmで使用できます。

真ん中奥のは中間リングで元々はオプションなんですが、
今回はセットで手に入れる事が出来ました。
これをレンズ本体とヘリコイドの間に入れると、
33cm~27cmまで寄れるそうです。

いわゆるマクロレンズなのですけど、
いまの感覚からするとたいしたことない数値です。
でもレンジファインダー機の最短撮影距離は1mからせいぜい70cmまでなので、
それでもけっこうなものなんですね。

こんな感じになります。
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左が通常バージョンのELMAR 65mm。
右が中間リングをかませた場合。

当時、90mmや135mmといったレンジファインダー用のライカの望遠レンズは、
二つに分割できるようになっていて、
このヘリコイドと合体させることでビゾフレックス用として
使う事が出来るようになっているそうです。

(こいつ、ぜったい望遠レンズも買うな。)


ちょっとだけですが、
最新のNIKON AF-S MICRO NIKKOR 60mm F2.8Gと撮り比べてみました。
イメージ 5
NIKON D3 + AF-S MICRO NIKKOR 60mm F2.8G
1/250s f/4.0 ISO200 WB4500K

イメージ 6
LEICA M9-P + ELMAR 65mm F3.5
1/250s f/4.0 ISO200 WB4500K

RAWで撮影。NIKONはNX2で、LEICAはCameraRaw5.7で現像。
WBは現像時にマニュアルで数値を合わせました。

あと、LEICAの方が若干暗めに写っていたので、
1/3ほどプラスに調整しています。

ELMAR 65mmの方が黄色っぽくなるのは、
レンズの黄ばみのせいか?

色味は調整しようと思えば出来ますが、
逆にレトロ感があっていいと思いますし、
シャープさやボケなどは最新レンズと比較しても
まったく遜色ないように思いました。

使用感などはまた次回に。


で、瞬く間に金欠になってしまったので、
ただいまNIKONの24mm2.8Dと85mm1.4Dの単焦点レンズ2本が
オークション中でございます: