天冠山題詠(趙孟頫)の口語訳

天冠山題詠(趙孟頫)の口語訳

てんかんざんだいえい(ちょうもうふ)のこうごやく

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米芾集482024.9.72024.12.21)(P2

 

擬古(いにしえに倣う(ならう))

 

靑松勁挺姿(青々とした松は、立派である)

凌霄耻屈盤(空に突き出た松は、勢いがない草木ではない)

種々出枝葉(それぞれの草木は、枝葉を広げている)

牽連上松端(それらの枝葉は、松の上端まで連なっている)

 

秋花起絳烟(秋の花は、赤い(彼岸花)煙(烟)の如く咲いている)

旖旎雲錦殷(その風景は、雲錦(美しい花模様)に満ちている)

不羞不自立(恥じることなく、みな自分の力で立ってはいない)

舒光射丸々(それらに、緩やかな光がさしている)

 

柏見吐子効(柏(カシワ)が松を見て種を出し(吐く)真似している)

鶴疑縮頸還(鶴もそれを見て、伸びた首を知事めているように思う)

靑松本無華(青い松にはもともと花が咲かないのに)

安得保歳寒(どうして寒さに耐える松竹梅(歳寒三友)が皆に寵愛されているのであろうか)

 

龜鶴年壽齊亀と鶴と寿命は同じである)

羽介所託殊羽と介(甲羅)のある生物では住み家が異なる)

種種是靈物それぞれ精霊のような動物である)

相得忘形軀(それ故、お互いの体形を忘れ仲良く出来る)

 

鶴有沖霄心鶴には空に飛び上がろうとする気持ちがあるが

龜厭曳尾居亀は泥中で尻尾を曳きずる様で、これをっている)

以竹兩附口の両端に、それぞれ鶴と亀が口にくわえた)

相將上雲衢(亀と鶴は雲の行き交うところまで上れる)

 

報汝愼勿語(鶴が亀に告げる、気をつけろ、喋らないように)

一語墮泥塗(ひと言喋れば、泥の中に落ちるぞ)

 

  呉江垂虹亭作(呉国の揚子江、垂虹亭での作)  

斷雲一片洞庭帆(空にはちぎれ雲、洞庭湖にほかけ舟が浮かぶ)

玉破鱸魚金破柑(鱸魚の肉は玉よりも美しく、赤柑は金よりも輝く)

好作新詩繼桑苧(新詩は好作、これは桑苧(陸羽)の趣を継いでる)

垂虹秋色滿東南(東南にある垂虹亭は、秋色に満ちている)

 

泛々五湖霜氣淸(五湖には、清々しい靄の冷気が湖面に溢れている)

漫々不辨水天形(水面は広大で、天(空)と湖面とが区別出来ない)

何須織女支機石(この自然美に、織女や織機(支機石)は不必要だ)

且戲常娥稱客星(さらに、旅人の星々と月(嫦娥)が戯れている)

 時為湖洲之行(湖洲旅行時に作成した)

 

 入境寄 集賢林舎人(洲境を越え、賢人と付添者に寄せて書く)

揚帆載月遠相過(帆に月を載せたようで、お互い長距離を進む)

佳氣葱々聽誦歌(青々の草木と河面の霞に風情、誦を聞いている)

路不拾遺知政肅(豊かで平穏(安全)な世の中だ)

野多滯穗是時和(岸には穀物の穂先が一面に見え、安らぎ和む)

 

天分秋暑資吟興(天(自然)の涼秋と夏の暑さが、誦を盛り上げた)

晴獻溪山入醉哦(晴天をこの山と川に捧げて、我誦を歌い酒に酔う)

便捉蟾蜍共研墨(それから、月を見ながら墨を研り文章を書いた)

綵牋書盡剪江波(美しい書面は書き尽くし長江の水面にも書きたい)

 

つづく