ひとり思ってた「あのままで」 | 風見鶏

ひとり思ってた「あのままで」

ずっとあのままでいて。



写真に写った屈託のない笑顔も、

慣れないウソついて驚かそうとする顔も、

右の前歯がひょっこり顔をだしてるところも、

ケンカしたときの泣き顔も、

「ひでくん、ひでくん」って起こすときの困った声も、

ちょっと似合わないメガネ顔も、

ずっと支えてくれたあの優しさも、

となりでぎゅっと握ったやわらかい手も、

せいいっぱい動く姿も、

ぜったいあきらめないこころも、

嫉妬して、さびしそうにするところも。



なにも変わらずあのままでいて。






時間はどんどん過ぎていって、

夏がきて、秋がきて、冬がきて、

あのころよりもぼくの髪もずいぶん伸びて、

昔履かなかったようなショートパンツ履いたりして、

いろんな人にあらたに出会って、

たくさん本読んで、勉強して、

背伸びいっぱいして、

1つ歳を増やしちゃった。



ぼくだってこんなに変わっちゃったんだ。



きみはもしかしてなにもかも変わっちゃった?



「あのままで」って思ったぼくのこころ。



こころだけ、忘れちゃった。


変わることを。




ぼくだけ取り残されちゃったね。


もうみんな変わっちゃったのに。