めったに映画など行かないが、その評判もあって、「栄光のバックホーム」を見に行くことにした。
この内容は実際にあった出来事で、元阪神タイガースの故横田慎太郎さんの半生を描いたものである。
映画の内容には直接触れないようにして、私の知っている事実をお話したい。
横田慎太郎さんは、2013年のドラフト2位で阪神タイガースに指名された。
同期には岩貞、梅野、岩崎などがいる。
プロ入り後、3年ほどした2016年のオープン戦で.363と打ちまくる。
その年開幕一軍で2番センターで抜擢され、ルーキー高山と1、2番を組んだ。
私も、広島のZoomZoomスタジアムでその雄姿を見たことがある。
だが、その後、不振に陥り、二軍暮らしとなる。
しかし、チームやファンからは今後を期待された選手であり、翌年からの活躍が望まれた。
私ももちろん期待していた。
ところが、その翌年の春季キャンプを最後に突然姿を見なくなる。
報道でも何も扱われなかったので、どうなっているのか気になっていた。
その記憶も薄れかけた頃、彼が脳腫瘍であったことを知る。
その後育成契約となったものの、頑張っていたことは知っていて、いつか一軍に戻ってきてほしいと願っていた。
二軍の選手なので、なかなか情報が無い中、彼が引退したことを知った。
そして、引退試合で見せた「奇跡のバックホーム」を動画で見て感動した。
その後は、また情報が途絶えてしまい、どうしているかはまた分からなくなった。
2023年、18年ぶりの優勝をかけてチームは勝ち進んでいた。
そして7月のある日、横田さんが亡くなったという訃報が不意に舞い込んでいた。
28歳という若さだった。
甲子園では追悼試合が行われ、選手たちも喪章をつけて臨んだ。
試合は同期の梅野がマスクをかぶって始まる。
2-1と勝ち越されるも、6回裏に4番大山が逆転ツーラン。
ダイヤモンドを回ってベンチに帰ってきた大山は、天に向かって「ありがとう」とヘルメットをかざす。
7回は同期の岩貞がマウンドに上がる。
ピンチを迎えるも、最後は打ち取って、後続に託す。
最後はこれも同期のストッパー岩崎が締める。
マウンドの岩崎はもとより、たくさんの選手が天を指さして横田さんと共に勝利を祝す。
そして優勝を目前に迎えた2023年9月14日。
勝ち越して迎えた9回、マウンドには抑えの岩崎が上がる。
いつもと、登場曲が違う。
その時は何故か分からなかったが、横田さんの登場曲だったと後から知り、感動した。
優勝後の胴上げの時、横田さんの背番号24のユニフォームも舞っていた。
優勝も嬉しかったが、チーム一丸となって横田さんの事を思っていたのだと思うと、泣けてきた。
もちろん、この間の横田さんの闘病生活やその苦しさまでは分からない。
映画では、そういった部分やご家族、監督、コーチとの人間関係も描写されている。
しっかり、ハンカチを握りしめて、見に行ってもらいたい。
