バルセロナといえば、サグラダ・ファミリアである。
バルセロナ入りして、6日になるが、まだ訪れていなかった。
天候も回復したし、結果としてちょうどいい日に予約していたことになる。
少し早めに出掛ける。
宿最寄りの駅から地下鉄で一本。
サグラダ・ファミリア駅に着いた。
地下鉄の駅から地上に出ようとしていたところ、後ろから誰かにリュックを開けられる感触があった。
振り向きざまに、「今あけようとしたやろ!」ととっさに、もちろん日本語で言った。
相手は狼狽し、逃げようとしたので、腕をつかんでさらにまくし立てた。
何かわけの分からないことを言っていたが、開けられたところには大したものは入っていなかったので、手を離した。
後で彼女に聞くと「何もしてないから」と連呼していたようである。
海外ではスリに気をつけるよう言われていたが、本当にそうだと思った。
このおかげで、せっかく今からサグラダ・ファミリアに行くのだという気分をくじかれた。
これがサグラダ・ファミリアか。
まだ、観光客が多くないうちに入場しようと列に並ぶ。
最初に所持品検査があった。
飛行機の保安検査を思わせるほどの厳重さ。
世界的な建築物を守るためには必要なことなのだろう。
ゲートを抜けるとそこは生誕のファサード。
柱の中を通ってきた雨水が彼の口からでてくるとのこと。
先日の雨では大変だったろう。
聖堂の中へ入る。
いろいろな意味が込められているのだろう。
ガウディの生涯を、いや、それをさらに超える気持ちが賭けられたものを感じた。
今回は、受難のファサード側の塔を登ることになっている。
エレベーターで一気に登る。
2026年の完成予定とのことで、この風景が見られるのもあと数年である。
この階段は螺旋の中心に柱がなく、更には中心側の壁が、膝くらいまでしかない。
正直、あまり高いところは好きでないので足がすくむ。
出来うる限り、早く降りてきた。
緻密な設計を感じさせる光の入れ方。
今度は、入ってきた生誕のファサードとは逆の受難のファサードを外部から見る。
キリストの全てをこの壮大な建物に込めたガウディの偉大さを改めて思う。
まだ、昼前だが一仕事終えた気分になった。
サグラダ・ファミリアから、今度はカサ・ビセンスへ向かう。
サグラダ・ファミリアとはまた違った建築様式。
タイルがふんだんに使われ、エキゾチックな雰囲気を醸し出している。
ここは居間天井のある部屋。
ビセンス氏の奥様がくつろがれたそう。
屋上はガウディらしさが現れるとも聞く。
さて、カサ・ビセンスを後にして、ランブラス通りへ。