天気は今日も回復していない。
今日は電車に乗ってモンセラットの修道院に行くことにしている。
電車、登山鉄道に乗って向かうのであるが、その途中、雨まで降り出した。
2時間と少しでモニストル デ モンセラット駅に到着。
そこから登山鉄道に乗り換える。
登山鉄道はアプト式なので線路の真ん中にもう一本ギア用の「線路」がある。
おかげで急な坂も上がれるわけだ。
しかし、山を登ってゆくに従って、周りが霧で真っ白くなる。
本来なら壮大な景色が見られるはずだが残念。
登山鉄道を降りて、モンセラット修道院の前に立つが、霧のためその全貌はつかめない。
チケットは事前に購入していたので、入場の手続きをする。
手続きを終えて出てくると、少し明るくなっている。
ゆっくりと姿を現しはじめた。
早めに入場したいので再度受付に戻る。
聖堂でミサが開かれている間は入場できないとのことで30分ほど待つ。
ここで見ておかなければならないのは、黒いマリア像である。
右手に持っていらっしゃる玉に手を置き、願掛けをすると叶うそうである。
黒いマリア様には次のような言い伝えがある。
昔、このあたりの鉱山で働いている人たちがいたが、その労働は辛いものであった。
そこへ知らない仲間がいつの間にか一人増えていた。
そのことで労働者たちは助けられた。
ある日、洞窟の中に黒いマリア様がいらっしゃるのを羊飼いが見つけた。
マリア様が黒く汚れていたことから、鉱山で働いていらっしゃたのだと、あの一人はマリア様だと皆は信じた。
そのようなことがあって、黒いマリア様のためにモンセラットに教会が建てられたという。
さて、つづいて少年団の合唱。
聖堂の中へ通され、しばし待つ。
聖堂も厳かな雰囲気につつまれ、その時を待っている。
しんとした空気の中、少年達が入場してくる。
そして、合唱がはじまる。
なんと表現したらいいのだろう。
その澄んだ歌声に、背筋が伸びる思いがした。
この景色を見られて、また感動が新たになった。
このあと、ケーブルカーでさらに登る。
10分ほどで到着。
この景色を見たかった。
晴れていれば言うことなかったが、天気のことは仕方ない。
モンセラットの「セラット」はノコギリという意味であるが、修道院の裏側はその名の通りである。