タイトル : 冷気 - ムニョス博士の最期 -
技法 : 板目木版・デジタル・マニキュア
この作品はH.P.ラブクラフトの『冷気』を元にしています。この小説は子供の頃、偶然読んだことがあり、そのストーリーと挿絵に強い衝撃を受けた記憶があります。
今回は制作にデジタルを併用し、下書きもグラフィックソフトを使い、手書きした絵などを合成・変形しています。またヌラヌラと光る感じを出す為に、一部透明なマニキュアを塗っています。真正面の写真ですとわかりにくいですが、実際には下の写真のように見えます。
物語のあらすじは以下のとおりです。
主人公は冷気をとても恐れている。それは
ニューヨークの西14丁目の下宿に引越したことから始まる。彼は突然起きた心臓発作の治療を、真上の部屋に住む医師ムニョス博士にしてもらったことをきっかけに親しくなる。
博士は常に部屋の温度を低く保つことを必要とする病気に18年前から苦しんでいた。そのため彼の部屋はつねに冷房装置により凍えるような冷気に満たされていた。
ある日、冷房装置のポンプが故障し、翌朝まで冷却を再開することが出来ないことが判った。手に入る限りの氷を補充し続けたが、ついに博士はバスルームに鍵をかけて引きこもってしまう。
主人公がなんとか交換部品と修理職人の手配をし終えて昼過ぎに下宿に戻った時には、既に恐るべき事態は起こっていた。
異臭が立ち込めた室内には、黒っぽいぬらぬらしたものが床に跡をひき、気味の悪いものがこびりついた紙片に乱暴な殴り書きが残され、長椅子には言語に絶するようなものが横たわっていた。
そして殴り書きには信じがたい言葉が残されていた。それは…

