第2話 チキン | 新・神谷ブログ

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彼女に会うことを決心した俺だったが・・・

(どうすれば会えるのだろう・・・)

名前も分からないし、何をしている人かも分からない。
働いているのだろうか?あの日は名古屋からの帰りだったのか、それとも岩倉に出かけてたのか・・・

手がかりはまったく無い。

俺は彼女と出会った時の電車に乗り続ければもう1回会えるかと思って、とにかく同じ時間の鶴舞線に乗り続ける事に決めた。

とはいえ、丸の内を9時に出る電車だ。
上司に「早く帰れ!」と怒られながらもその電車に乗るために毎日会社にいた。

そして毎日同じ電車の先頭車両に乗った。
もちろん違う車両かもしれないから先頭車両から後方の車両まで彼女を探した。

たまに早く会社を出て、逆方向の鶴舞線に乗って鶴舞線の始発まで行き、9時ごろに丸の内に着く電車を見はからって乗った。

前後時間をずらした電車にも乗った。

結局2ヶ月ほど彼女を探しながら電車に乗り続けたが彼女には会えなかった。
そこで俺は決心する。

(駅で待とう)

彼女に会える確信は無かったが、岩倉駅での待ち伏せ作戦をすることに決めた。




俺はとにかく寒さに耐えていた。
岩倉駅の改札を出でたところで毎日、電車から降りてくる人たちを見ていた。

もちろん暖房設備なんてない。

岩倉駅は改札を出ると左右が分かれているので、改札正面のベンチから見ればどちらに行く人も見ることができるので確率は増す。それでもピーク時にはすごい人の数がおりてくるので見つけるだけでも一苦労だ。

毎日ベンチに座っていると怪しまれるといけないので、たまにコンビニで立ち読みしながら外を見たりしたが、もし彼女が改札を出てコンビニがある方向と反対方向に行ってたら会えないので、寒さに耐えつつもやっぱり改札正面ベンチで待つことが多かった。

いつもだいたい、6時半くらいに岩倉駅について、コンビニで肉まんを買い、改札前のベンチで肉まんを食べながら彼女を待つという生活が続いた。

いつのまにかバレンタインデー。
バレンタインデーの逆告白を軽く狙ってみたりもしたが、そんなにうまくいくはずも無く、2月も終わろうとしていた。そんなことを続けて1ヶ月。いまだに彼女に会えないでいた。

今日もいつものように岩倉駅で降りて、コンビニで肉まんを買うために改札を出たときだった。


彼女だ。
俺と一緒に電車に乗っていた。

だが、その時はほんとに彼女だったのか確信が持てなかった。

なにせ、初めて会ったときは電車の中で見ていただけ。しかもその時から4ヶ月ほどが過ぎていた。
俺の頭の中でも彼女が相当美化されていたし・・・

とにかく俺は彼女の後を追いかけた。

というよりも彼女の後についてとにかく迷っていた。
(どうしよう、声をかけようか・・・)
(でも、ほんとに彼女だったかな・・・)
(間違いないよな・・・でも、もし違ってたらどうしよう・・・)


と、思っては見るものの、俺の中では確信があった。

彼女だったのは間違いない。
でも声をかけることができない。

駅を出て100メートルほど後をつけていくと彼女があるマンションに入っていった。
彼女の家だろうか・・・

そこで終わってしまった。
結局俺は彼女に声をかけることができず、彼女の家だけが分かった。(偶然にも)

(俺のアホーーーー)

(女の子に声をかけるのってこんなに難しかったっけ・・・)
(このままじゃただのストーカーじゃねぇか。)

次こそ彼女に声をかける決心をして、その日は家に帰った。


翌日からも同じように岩倉駅で待ち続けた。

ただ、一度彼女に会ったことで、昨日までの本当に会えるか分からない不安は無かった。

(とにかくここで待っていれば彼女に会える・・・)

その確信が持てただけで、気持ちはぜんぜん違った。


結末は近づいていた。