おはようございます。出勤前に更新。

 

今回の本、「くらげ」に惹かれて選びました。

第14回小説現代長編新人賞受賞作。

鯨井あめさんの『晴れ、時々くらげを呼ぶ』です。

受賞時、なんと著者は大学在学中。

執筆歴13年、しかも私より年下。98年生まれ。

すごいなあ…!!

 

くらげを降らしたい女の子と、周囲に全く興味のない男の子を取り巻くお話。

少しずつ、少しずつ、男の子が変わっていくところが暖かかったです。

2人は図書委員。

最近、図書委員の本読むの多くないか?まあ、偶然か。

 

図書委員同士のコミュニケーションから、読んでみたい本が見つかるのも楽しいです。

『四畳半神話大系』とか、すごい面白そう!

 

女の子はなぜくらげを降らしたいのか?

本当にくらげは降るのか?

男の子は、なぜそんなにも周囲に興味がないのか?

この世から抹殺したいと思うくらい強い気持ちを持つ本、とは…その作者は。

また、くらげの生態を知るところから始まり、呼び方も工夫し…一人じゃなくて、仲間ができて…

 

主人公以外の登場人物も、それぞれに背景があります。

ああでも、人との関わりってそうだよな、と。

当たり前のことだけど、一人じゃ生きていけないよな、と。

衝突しながらも、つながりあっていく様子はとてもやさしかった。

 

あと、作中に出てくる言葉が好きです。

「優しさの本質は他者への興味だ」、「目撃者の義務」。

しっくりきました。

くらげ、呼んでみようかなあ。

ミズクラゲがいいな。