おはようございます
職場復帰をして数日が過ぎた放射線治療17~18回目頃、疲れがたまってきてしまいました
なるべく家事もためないように、できることはやっていました
パートの仕事を12時に終えて帰宅し、昼食を温め、ソファに座って・・・
自覚なく寝落ちしていました
目が覚めたとき、自分でもびっくりする位に全てがリセットされていました
アレ?? 何してたんだっけ??
自分でも コワッ! って思いました
ほんの数分、かなり深く寝てしまっていました
放射線治療はいつも同じ時間の午後2時からの予約でした
まず、乳腺外科外来へいき、診察券をだし、受付を済ませてから、放射線治療室へ移動することになっています
外科外来は午前中だけの診察なので、私が行くときには、すでに患者さんはまばらです
ある日、外科外来へ行くと、ガランとした待合のソファに自分と同じ年代くらいの女性が呆然と座っていました
少し離れてご主人らしき方が、これまた放心状態で座っておられます
一瞬で何が起こったのかわかりました
その姿は、ほんの数週間前の自分達そのものだったからです
受付には、〇〇記念病院と書かれた大きな茶封筒がおいてあります
抱きしめたい!と、思いました
心の中が動揺しました
ほとんど衝動、体が動いてしまいそうでした
彼女の今の気持ちが痛いほど、手に取るようにわかってしまう
少し先を歩くものとして、伝えたいことは2~3ある
でも一番は
”一人じゃない!
だって私がここにいる!
大丈夫!!”
と、伝えたいと思いました
受付で診察券をだすとき、彼女のこれから受けるたくさんの検査のための書類がわらわらと準備されているのが見えました
その中の担当医師の欄に、私をみてくださっている先生の名前がチラッと見えました
そこで、少し落ち着きました
”彼女は先生がみて下さるんだ!”
彼女の人生のなかでも、今がとてもつらく試練の時
その場を、先生ならばしっかりと寄り添ってくれて、支えてくださることを私は知っている
ここは、自己満足な行動をとってもいい場面ではない
と、思いました
この時、お姉さんのような気持ちになったというか、今自分がやるべきことはなにか?
と、考えてみると
”自分がやるべき治療をしっかりとやること”
だと思い、治療に対して、少し前向きになれた瞬間でした
この時の女性は、たまに外来待合で一緒になります
”治療を頑張っておられるんだな・・”と、勝手にエールを送っています
私は、主治医が乳腺外科の専門医であることを、この時期まで知りませんでした
そして、自分がかかっている科が、乳腺外科であることも知りませんでした
病院の案内には外科としか表示がありませんでしたし、予約表などには、消化器外科と記載してあったので、出張的に乳がんの患者もみてもらっているんだろうと、思いこんでいました
それまでに経験したことがない孤独を感じていたとき、実際には病院の待合で乳がんの患者さんに囲まれていて、私は最初から一人ではなかったのかもしれません
自分で買った乳がんの本には、できるなら乳腺の専門医に診てもらったほうがよいと、書いてあるのをみて
”まあ~ そりゃあ・・そうでしょ でもこんな田舎に専門医なんかいないんですよ!”
と、思っていました
それまでも んん?と、思うことはいくつかありました
先生
”放射線治療には毎日通えそう??近いの?? 先ほどの方はねえ・・遠いみたいでねえ・・通えないってことでウンタラカンタラ・・・”
先生と話しながらも心の中は
”ええ?? 先生、先ほども乳がんの患者さんを診察されてたの?”
妙に女性の患者さん多いなあ・・とか
なんかおかしくなーい?
と、思い始めたころ、入り口の院内の医師を紹介したパネルを何気なく見ていると
先生の名前のところに”乳腺外科専門医”とありました
”えええ~~ マジ?? もう手術終わってますけど!”
と、入り口に立ち尽くす、ある日のおばさんでありました